広島県詩人協会で講演 (瀬崎)   

先日、広島県詩人協会の総会があり、そこでの講演依頼を受けていた。

広島駅前のヒロデン・ホテルでの会は30人あまりの出席者だった。
タイトルは「作品世界の広げ方 ~私もこんな風に書いてみたい」として、私が最近考えていることを話した。

作者と作品の関係をおさえた上で、作品は私をどこへ連れて行ってくれるか、ということが基本的な命題となっている。
そのためには恣意的に世界を広げなくてはならないわけだ。
しかし、現実世界ではどんなに絵空事であっても、作品世界ではリアリティがなければならない。
やはり問題となるのは、どれだけ切実な言葉を自分の奥からもらってくるかということなのだろう。

書くことによって、水平方向にどこまでも遠くへ行こうとする作品として最果タヒ氏の「球体」を取りあげた。そして豊穣に広い世界を囲い込む作品として曉方ミセイ氏の「怪予兆」を取りあげた。
松浦寿輝氏の「冬の猫」は、今度は水直方向にどこまでも潜りこんでいく作品として紹介した。

予定していた1時間半で、おおよそ話したいことは込めることができた。

会場を移しての懇親会では初めてお会いする方も多く、楽しいひとときだった。
会長の木村大刀子氏、そのご主人の高垣憲正氏には大変に気遣いをしてもらった。感謝あるのみ。

さらに事務局長の豊田和司氏らに誘われて二次会へ。和気藹々、抱腹絶倒のひととき。
さらにホテルのバーでの三次会と、広島の皆さんにはお世話になりました。


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# by akirin2274 | 2017-05-22 21:14

「ターナーからモネへ展」 (磯村)    

広島県立美術館で、ウェールズ国立美術館所蔵品の展覧会。
5つの章に分けて80点近い作品が展示されていた。

「ロマc0138026_21515632.jpgン主義」では、ターナーの作品が水彩、油彩それぞれ3点ずつが展示されていた。

水彩画の基礎を作ったといわれるターナーだが、今回はバニントンの「ルーアンのサン=トゥアン教会の鐘楼」のくっきりとした描写に惹かれた。
そしてエドワード・リアの素描「ジュアン湾」には唸った。
ペンによる線描に淡彩がほどこされているだけなのだが、その作品世界の広がりはすばらしかった。

だいたいがロマン主義の絵は好きである。
油彩ではジョン・コンスタンブルやジェームズ・ホーンなどの作品もよかった。

それに比して、「リアリズム」のドーミエやミレー、クールベになると、上手いなあとは思うのだが、それだけ。
さらに「印象派」になると、マネやモネルノワールが並んでいたが、きれいだなあと思って、それだけ。

「パリのサロンとロンドンのアカデミー」と題された章では、アンドリュー・マッカラムの「雨後の秋の日差し」が水彩の大作で目を見張った。
不透明水彩ではあったが、ここまで華やかに描けるのか! 
木洩れ日の白色の使い方には感心した。

「ポスト印象派」ではやはりセザンヌやヴラマンクがよかった。
まったく知らないエドナ・ホールという人の水彩画「浜辺の裸婦」は、何か劇的なものを予感させる絵だった。

同館の所蔵品展もやっていて、シュルレアリスムの絵を展示していたのは嬉しかった。
ダリの大作「ヴィーナスの夢」では、あの歪んだ時計、燃えるジラフ、それに引き出しのある人体、蟻が群がる肉片と、お馴染みのモチーフが青空の下の砂漠に点在していた。

ほかに、カンディンスキーや、マン・レイ、マグリットなども並んでいて、こちらも堪能した。



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# by akirin2274 | 2017-05-15 21:58

ヤフオク (瀬崎)   

娘がヤフー・オークション(ヤフオク)なるものをしている。
要らなくなった子供の服を出品したりしているようだ。いろいろなものも探すと安く買えることがあるという。

で、空いた時間にどんなものだろうと覗いてみた。そうだな、古い詩集でも出品されていないかな。
古本屋をまわる感覚である。

おお、この詩集は! と思ったものは驚くほどの高値が付いている。
たとえば萩原朔太郎の「月に吠える」は10万円近い。さすがに恩地孝四朗の木版画も付いている初版本だけはある。

あまり高くないものをさがして、5点ほど入札してみる。
するとすぐにその値段を上回って入札してくる人がいる。ほしがっている人がいるのだなあ。

結局、菱山修三の詩集「定本懸崖・荒地」(青磁社昭和17年刊 初版)を落札した。納得できる範囲の値段だった。

同じ昭和17年の東京創元社刊の三好達治詩集「一点鐘」も、とても安く即決で落札した。
ただ、この詩集は、ホルプ版「三好達治詩集」の安西均の解説に拠れば昭和16年に刊行されているので、再版か、復刻版なのだろう。

ついでに清水昶の評論集「詩の根拠」も安かったので落札した。

ただでさえ本の整理に困っているのに、つい、こんな買い物をしてしまって、どうするんだ?


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# by akirin2274 | 2017-05-08 20:46

ユリカモメ・ウルトラマラソン (磯村)   

c0138026_13495341.jpg武庫川の河川敷を走る大会に参加してきた。1往復17.5kmのコースを3往復して、52.5kmをふらふらになりながら走った。

本来この大会は、このコースを4往復、70kmを走るのが要項である。
しかし、3往復+4km、つまり56.5kmの関門が6時間50分と大変に厳しく、私の走力ではいかんともしがたいのである。
ということで、はじめから3往復を目標として参加した。

幸い、気温の上昇は23度ぐらいまでと、この季節にしては爽やかであった。風も微風で心地よい。

1往復目は1時間57分。ん、まずまずのペースだな。

2往復目に入ると、さすがに疲れが出てくる。
エイド毎に水分補給とともに塩をなめる。とにかく脱水と熱中症、それにミネラル不足による痙攣が怖い。
カロリー補給も必要ということで、バナナを食べ、小さなアンパンを食べる。塩漬けのキュウリやオレンジ、苺といった野菜や果物も美味しくいただく。

何度も冷たいかぶり水を頭からかけ、特に首筋を冷やす。
これをすると、しばらくは生き返ったように体がすっきりとする。

そして3往復目。もうよれよれとなってきた。
せめてフル・マラソンの距離までは頑張ろうとして、42km通過が5時間5分だった。去年の大阪マラソンとおおよそ同じペースか。
今日はここからさらに10kmあまりを走らなければならない。ふーっ。

結局、3往復終了して6時間45分だった。まあ、こんなものか。
帰途の三ノ宮への電車ではつい爆睡。降りる駅を間違えてしまった。


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# by akirin2274 | 2017-05-05 13:52

5月になって (瀬崎)   

早くも4ヶ月が経った。次の4ヶ月の予定を確認しておく。忘備のようなこと。

5月に、広島詩人協会総会での講演を依頼されている。「作品世界の広げ方 ~私はこんな風に書きたい~」と題しての準備をしている。
その次の週に詩誌「ERA」の合評会が東京である。今回も東大駒場でやるようで、全国から20名が集まる予定。
月末に岡山詩人協会の次期役員選挙。私が選挙管理委員で、先日投票用紙を発送している。
あ、岡山県文学選奨の第1回の選考委員会もあった。今年度も総合審査員を務めることになっている。現代詩部門の選考委員には今年度は新しくある方にお願いした。

6月に詩誌「どぅるかまら」22号の作品持ちより会。そのあと編集会議も予定。
日本現代詩人会の「日本の詩祭」は、今年は中旬にある。今年度のH氏賞受賞の北原千代氏の紹介スピーチを依頼されている。持ち時間をオーバーしないように注意しないと。

7月始めには今度は中四国詩人会理事会。
そして「どぅるかまら」の会の受賞・出版祝賀会。今年は秋山、岡、私の詩集出版祝賀もあるのだが、メインはなんといっても岡さんの日本詩人クラブ賞祝賀である。

8月には日本現代詩人会の総会があり、そこで西日本ゼミナール・高知の報告などをして、これで2期4年間務めた理事を退任することになる。ほっとする。


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# by akirin2274 | 2017-05-01 09:53

同窓会 (瀬崎)   

c0138026_20394078.jpg
今年はわれわれが大学に入学して50年目になるという。
ぜひ出てこい、との案内を受けて、大学を卒業して初めて同窓会に参加した。

会の前に、50年前に入学式がおこなわれた解剖講堂に集まるようにとのこと。
木造平屋のこの建物は、残存している医学部の建物では最も古いのだが、きれいに改修されて記念講堂医学部資料館になっていた。
そこの階段教室で現在の大学病院長が、医学部の現状について解説講演をしてくれた。

夕刻となり、会場である四条河原町の京料理店へ移動。
窓のすぐ外を鴨川が流れる座敷では、舞妓さん、芸妓さんが舞ってくれたり、酌をしたりしてくれた。

同期はたしか108人だったはずだが、今回の同窓会には50人が参加していた。
同じ科に進んだり、科は違っても同じ勤務先にいたことのある者を除くと、40年以上も会っていない奴ばかり。

かすかな面影が残っている顔もあるのだが、誰が誰やらさっぱり判らない。
お互いに名乗りあって、ああ、お前だったか。
話しはじめてみると、みな、結構昔のことを覚えている。ああ、そんなこともあったな。

驚いたことに、お前から詩集をもらったことがあったぞ、詩を書く奴が入学してくるんだと思って感心したことを覚えているぞ、という奴がいた。
うへえ、それは第一詩集「眠り足りない微笑」のことじゃないか。何も判らないままに思潮社から出したやつだ。そんなことを覚えていたのか。

まだ詩を書いているのか? ああ、去年出した詩集を送るよ。

京都の夜は悪酔いをしながら更けていった。


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# by akirin2274 | 2017-04-23 20:45

広島出張 (磯村)   

c0138026_21111615.jpg仕事関係の全国大会が広島であった。

1月に、年も明けたしそろそろホテルを予約しておこうと、いつもの予約サイトで検索したら、あれ?どこも満室?
4ヶ月も前なのに、その期間に空き室がある宿泊施設は超高級ホテルか老舗旅館ばかり。
あとはカプセル・ホテルだけ。
どうする?

いろいろと探して、広島から在来線で30分ほどの西条にホテルを取った。
東京では毎朝の通勤に1時間ぐらいかかる人もいるのだから、それを思えば会議の期間中ぐらい通えないことはないだろう。

さて、西条にいってみると、そこは清酒造りの街だった。
あちらこちらにレンが造りの煙突が立っていて、酒蔵通りという名の路地もあった。
会議に出かける前の時間を利用して、酒蔵通りでのスケッチもしてみた。

会議から引き上げてきての時間には、掘りごたつ風のお座敷カウンターの店で、目の前で揚げてくれる串揚げを味わいながらお勧めの冷酒をぐびりぐびり。
うん、こりゃ西条にホテルを取って好かったな。

ちなみに、同じ会議に出席した娘もホテルが取れなかった、と。
どうしたのかというと、娘は会議場近くの高級カプセル・ホテルに泊まっていた。
ちゃんと個室になっていて、大浴場や豪華なパウダー・ルームがあったりして、それなりに楽しかったようだ。

3日間も同じ会議に行ったのに、娘とは一度も会わなかった。
会議は12の会場で同時におこなわれていたから、無理もないか。

普段は5分の距離のところで暮らしていることだし、まあ、旅行中ぐらいは会わなくてもいいか。


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# by akirin2274 | 2017-04-17 21:15

正木山トレイルラン (磯村)   

c0138026_21375221.jpg正木山トレイルラン大会。ロングの部26.1kmに参加してきた。
制限時間は4時間20分で、3つの山を上り下りして、累積標高差は1000mちょっと。

スタートして2kmほどは山里の道を走る。
みんな始めから早い。文字通り最後尾をのんびりと走る。

この大会では最終走者にはボランティア・ランナーがついて走る。山の中で事故が起きたときの備えなのだろう。
で、今のところ、その最終ランナーであるわけだ、私が(笑)。

そしていよいよ急勾配の山道に入る。そのころまでには5人ほど抜かしていた。
300mほど上って古代山城の荒平城跡に着く。
さらにそこから500mの正木山頂上を目指す。

今日は雨が上がっていたが、昨日までは小雨が続いていたので、山道はぬかるんでいる。
赤土の斜面では泥が滑って足の踏ん張りが効かない。これは消耗するなあ。

正木山の頂上をすぎると、今度は下り。
泥で滑る滑る。油断をすると尻餅をつきそうになる。怖い怖い。

平地に戻ってきた地点ごとのエイドでは、水分補給をして、滴り落ちている汗で失った塩分を梅干しで補う。

さて、ここからは今度は古代山城のあった400mぐらいの鬼の身山へ。
そこからいったん駆け下りて、正木山の裾の方を越えて18kmぐらいで再びエイド。
そしてここからの2kmぐらいは舗装された道を駆け下る。
桜の名所でもある大野街道。桜並木は満開で、深い谷の向こうの山の斜面には山桜が満開。

次は沢登り道となる。谷川の傍らの道をよじ登るのだが、ここも泥で滑りやすくなっている。
う~ん、太股の踏ん張りが効かなくなってきたなあ。

200mぐらい上って、やっとあとは下りを残すばかりとなった。
実は2年前に初めて参加したときは、完走タイムは4時間15分と、制限の5分前のゴールで私のうしろには5人ぐらいしかいなかった。
昨年は4時間5分と、10分ぐらい短縮して、後ろにも大分の方がいるようになっていた。
そして今年。このまま頑張れば、なんとか4時間を切れるかもしれないぞ。

ということで、3時間55分でのゴールだった。
1年ごとの加齢を考えれば、よくやったと自我自賛。

あとでチェックしてみたとところ、私の後ろには60人あまりの方がいた。うん、よくやった。


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# by akirin2274 | 2017-04-09 21:41

大岡信氏ご逝去 (瀬崎)   

大岡信氏が86歳でご逝去されたことを知った。
しばらく前から体調を崩されているとのことは知っていたが、とうとう、という気持ちである。

詩作においても評論においても、大岡氏は大きな功績を残した。
しかし、氏が一般の人にも広く知られるようになったのは、やはり朝日新聞に連載した「折々のうた」に拠る面も大きいだろう。
私も毎朝の新聞ではその小さな欄から読んでいたものだった。

実は、私の妻は短歌を作る。
2冊の歌集も出しているのだが、その第1歌集「雲の艦隊」(砂子屋書房 平9年)に載せた歌が「折々のうた」に採用されている。
忘備のために以下に引用しておく。

  「今日僕は」で日記は今日も始まれりこの少年も老い易からむ

「日記をのぞき見している作者は、他の作品から見るにこの「少年」の母である。夏休み後学校へ提出する日記だろう。だれにも覚えのある同じ書き出し「今日僕は」。それを見ながら作者の連想は「少年老い易く学成り難し」という例の有名な教訓詩へ飛んだのである。ここにはわが子のいとおしさを思う気持ちが畳みこまれている。ただ、子供が気付いたら怒るだろうな。」

「折々のうた」は新聞連載後には岩波新書にまとめられているので、妻の歌もこうして確認することができる。

ちなみに、この「少年」はその後、私と同じ医者となり、今は3人の子供の父親になっている。


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# by akirin2274 | 2017-04-06 21:58

詩誌「交野が原」 (瀬崎)   

c0138026_21211482.jpg金堀則夫氏から「交野が原」82号が届いた。

今号も32人の詩作品、5編の評論・エッセイ、それに9編の書評を収めて、読み応えのある詩誌となっている。

八木幹夫「さみしいゆめ」のやわらかい叙情、中本道代「歳月」の引きしまった叙情、それにいつもとはいささか趣を異にしている海埜今日子「S区白濁町」の混沌とした叙情に、それぞれに惹かれた。

苗村吉昭は「大野新ノート」を連載している。
8回目の今号では大野氏の逝去後に刊行された全詩集を紹介していた。
大野氏には私も学生時代に何度かお目にかかっている。
これまでの詩集には収載されていない作品についての紹介は興味深いものだった。

書評では、阿部日奈子が北原千代詩集「真珠川」について書いた「理性の外にひろがる沃野」を面白く読んだ。
今年のH氏賞を受賞したこの詩集については、私も2ヶ月ほど先にスピーチを依頼されている。
私の読みとの違いが参考になった。なるほど。

拙ブログ「瀬崎祐の本棚」には、北原千代「雨の木」、斎藤恵子「似合わないのに」、草野早苗「傘の行列」の簡単な感想を書いた。

瀬崎は「うりざね」を発表している。
なぜか書けてしまったという作品で、だから自分でも何を書いているのか、よく判らない。
軽妙さは出せているのではないかと、これは自画自賛。 


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# by akirin2274 | 2017-04-05 21:26