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レオナール・フジタ展 (磯村)   

レオナール・フジタ展 (磯村)_c0138026_9445491.jpg渋谷・文化村で「レオナール・フジタ展」を観てくる。
1920年代からパリで活躍した藤田嗣治は、レオナルド・ダ・ヴィンチにあやかって洗礼名をレオナールとしたとのこと。

彼独特の乳白色の画面の油絵に加えて、鉛筆素描、水彩画、版画、それに土門拳らが映したフジタの写真など、200点あまりの展示だった。

墨でのくっきりとした線描に白を基調とした彩色で描かれた裸婦像が有名だが、今回は後年の子供たちを描いたシリーズも展示されていた。

狐のような眼のどの子供も無表情で、顔つきも大人びている。ただ身長や衣服が子供なのだ。
不気味である。
ポスターに描かれているのは「お誕生会」であるが、表情を失った子どもたちがケーキの載ったテーブルを囲んでいる。
まったく楽しそうな雰囲気ではない。
さらに、窓の外には招待されなかった子どもたちが室内をのぞき込んでいる。

描写の先にあるものまで描かなければならないのだな、と感じさせられる。
これまで裸婦と黒猫しかよく知らなかったのだが、すっかりフジタを見直した展覧会だった。

by akirin2274 | 2013-08-31 09:52

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