「絵画の時間」展 (磯村)
2014年 09月 21日
160点の作品が展示されており、テーマは「24のエピソード」。
驚くのはその展示内容。
あまり興味のない彫刻、古代美術は別にして、絵画の方はほとんどが巨匠だらけ。
レンブラントからはじまり、ドーミエ、クールベ、コロー、ピサロ、ルノワール、カイユボットとつづく。
セザンヌの「サント・ヴィクトワール山」を描いた絵は、よくよく見ると不思議な描き方をしている。
部分的に見ると、無造作に平面的に塗り分けただけなのだが、全体を見るとちゃんと深みのあるものとなっている。不思議な描き方である。
モネは2点の睡蓮を含めて5点があったが、どうも、私にはどこが好いのかさっぱり判らない画家である。
マティスも6点が並んでいたが、これもさっぱり良さが判らない。本人はこんな描き方で、描けた!と思えたのか。凡人には判らない。
ゴーガンとゴッホは比較的初期の作品が並んでいたが、特にゴーガンに感心した。さすがだ。
今回一番印象的だったのはルオーの「郊外のキリスト」。
寂れた街並みのなかに立つ一人の男と二人の子供。ルオー独特のあの黒の太い線描でぐいぐいと描かれているのだが、寂寥感が押し寄せてくるような絵であった。
デュフィーの「オーケストラ」を見ることができたのもよかったし、ピカソとビュッフェの人物画もよかった。
ピカソは全部で6点があったが、静物画ももう言うことなし。こういう絵を見ている時間は幸せそのもの。
それに好きな古賀春江の油彩3点を見ることができた。どれも夢の世界のよう。広島県立美術館にあった彼の水彩画もよかったなあ。
2時間をかけて鑑賞した。眼福、眼福。
これだけの内容で、なんとシニア割引600円。さすがブリジストン、太っ腹!
by akirin2274 | 2014-09-21 20:30