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「別冊 詩の発見」 (瀬崎)   

「別冊 詩の発見」 (瀬崎)_c0138026_22255265.jpg 山田兼士氏から「別冊 詩の発見」15号が届いた。

 これは氏が教えている大阪芸術大学文芸学科現代詩研究室が毎年学生の卒業に合わせて発行している詩誌。
 今号には39編の寄稿詩の他に、山田兼士の「詩集カタログ2015」、6人の学生の詩集レビュー、4人の詩を載せている。148頁の立派なもの。

 拙ブログ「瀬崎祐の本棚」ではこの詩誌の感想として、「孔雀高砂、祭の夜」細見和之、「戦火」杉本真維子、「穴」須永紀子を取り上げた。

 これらの作品の他にも、文月悠光「夜明けのうつわ」のふるえるような切ない美しさも印象的だった。
 時里二郎「ふるいてのひら」は、現在書き継がれている”名井島”シリーズの作品。これが全体の中にはめ込まれたときにどのように見えてくるのかと期待してしまう。

 山田兼士の「二上幻想」Ⅰ、Ⅱは意匠にも凝った作品。
 上揃えのⅠでは文字の並びは二上山の空の形になっていて、しかも31行の作品の各行頭の文字をつなげると大伯皇女の歌になっている。下揃えのⅡでは文字の並びそのものが二上山の形になっており、各行末の31字で大津皇子の歌になっている。

 瀬崎は詩「観覧車」を載せてもらっている。

 「詩集カタログ2015」には、この1年間に山田兼士がツイッターに書いてきた詩集紹介150編あまりを載せている。それぞれは140文字以内という短いものだが、その制約でまとめた労作である。

by akirin2274 | 2016-03-25 22:28

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