「新東京百景展」 (磯村)   

c0138026_10174194.jpg東京都現代美術館の地下で開かれていた展覧会。

昭和初期には、作者が自刻・自刷りをする創作木版画が盛んになっていた。
その頃の東京の風景・風俗を描いた木版画を集めた版画集が「新東京百景」だった。
参加しているのは8人。それぞれ6枚から7枚の作品が展示されていた。

前川千帆や逸見亨などは、単純に黒の骨版に単純に色を乗せていて、木版画らしい魅力を出している。
私が好きな川上澄生も大部分はその方法なのだが、彼の場合は陰の付け方に独特の味わいがある。
やはり好いなあと思ってしまう。

恩地孝四郎は色版を重ねることによって画面の色彩を複雑に見せている。
デッサンも抽象化されている傾向があった。
やがて彼が抽象版画へ移っていくことはよくわかるものだった。

藤森静雄や諏訪兼紀は骨版を使わない手法。
骨版を使う場合も黒色を避けて柔らかさを出していた。

今回一番感心したのは平塚運一の作品。
初めて知った版画家なのだが、黒の骨版が非常に細く、繊細な作品であった。

もちろん銅版画やシルクスクリーンも好きなのだが、木版画は身近な感じがして親しみやすい。
伝統木版画である吉田博なども好きなのだが、秋山静や黒崎彰の抽象木版画にも惹かれる。

私もかっては年賀状を木版画で作っていた頃があった。
もう一度木版画を彫ってみようかなという気にさせられる。

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by akirin2274 | 2017-01-21 10:26

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