「シャセリオー展」 (磯村)   


c0138026_22222592.jpg上野・国立西洋美術館でシャセリオー展を観てきた。

副題は「19世紀フランス・ロマン主義の異才」ということだが、実はテオドール・シャセリオーについてはよく知らなかった。
しかし、あのギュスターヴ・モローに影響を与えた画家ということで、興味を引かれた。

アングルに11歳で入門を許された早熟の天才といわれただけあって、その人物画には内面の深さがにじみ出てくるような深さがあった。

油彩の他に黒鉛の素描や水彩画、エッチング、リトグラフも展示されていた。
水彩画では、風景画にはそれほど感心しなかったのだが、人物画になると圧倒される技量だった。
抑えた色数で塗りもあっさりしているのだが、その陰影などから奥行きのある絵となっていた。
青灰色の紙に黒鉛で描かれた素描でも、白のハイライトを入れただけで人物が生きていた。

アルジェリアに旅行をした彼は、オリエンタル衣装の女性なども描いている。
パンフレットに拠れば「甘く寂しいエキゾチズムの香りこそが彼の本質である」とのことだが、なるほど、上手い表現だ。

関連作品として、モローの絵も大きな油彩画から小さな素描まで7点が展示されていた。
水彩画も2点が展示されていたが、水彩でここまで描けるのかと感嘆してしまう。

それほど期待せずに行った展覧会だったが、感じるものが多々あった。


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by akirin2274 | 2017-03-22 22:26

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