大岡信氏ご逝去 (瀬崎)   

大岡信氏が86歳でご逝去されたことを知った。
しばらく前から体調を崩されているとのことは知っていたが、とうとう、という気持ちである。

詩作においても評論においても、大岡氏は大きな功績を残した。
しかし、氏が一般の人にも広く知られるようになったのは、やはり朝日新聞に連載した「折々のうた」に拠る面も大きいだろう。
私も毎朝の新聞ではその小さな欄から読んでいたものだった。

実は、私の妻は短歌を作る。
2冊の歌集も出しているのだが、その第1歌集「雲の艦隊」(砂子屋書房 平9年)に載せた歌が「折々のうた」に採用されている。
忘備のために以下に引用しておく。

  「今日僕は」で日記は今日も始まれりこの少年も老い易からむ

「日記をのぞき見している作者は、他の作品から見るにこの「少年」の母である。夏休み後学校へ提出する日記だろう。だれにも覚えのある同じ書き出し「今日僕は」。それを見ながら作者の連想は「少年老い易く学成り難し」という例の有名な教訓詩へ飛んだのである。ここにはわが子のいとおしさを思う気持ちが畳みこまれている。ただ、子供が気付いたら怒るだろうな。」

「折々のうた」は新聞連載後には岩波新書にまとめられているので、妻の歌もこうして確認することができる。

ちなみに、この「少年」はその後、私と同じ医者となり、今は3人の子供の父親になっている。


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by akirin2274 | 2017-04-06 21:58

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