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四土の会 (瀬崎)   

詩の勉強の会である四土の会では、毎年秋に外部講師を呼んでいる。
今回は細見和之氏に来てもらった。

大阪文学学校の校長であり、詩誌「ビーグル」の編集委員の一人でもあるのだが、本業はドイツ思想で、この4月からは京大文学部の教授になっている。

先年、石原吉郎に関する評論集を出されていたので、その周辺の話になるかと思っていたのだが、タイトルは「「パウル・ツェラン 「死のフーガ」の成立過程をめぐって」であった。
現在研究中のものだということで、まだ実証ができていないので学術的にはまだ何も言えないのだが、詩人の皆さんだったら実証を飛ばしてでも私の言いたいことが判ってもらえるのではないか、とのことだった。

要点は、有名なツェランの「死のフーガ」には先行する作品があったのではないか、ということ。
ツェランのそれは90行のしっかりとした作品だが、使われている語句、詩われている内容まで類似したヴァイスグラースという人の「彼」という20行の作品があるのだ。
世界中の学舎がどちらが先かを研究しているという。

細見氏の着目点が面白い。
「死のフーガ」を読んだあとに、詩人たるもの、「彼」のような作品をわざわざ書くと思いますか?
これには、なるほど、であった。
しかし、学術的にはこれが判断基準にはならないことも自明だ。

田村隆一の有名な「立棺」では、鮎川信夫の「裏町にて」に出てくる”立棺”という言葉や、中桐雅夫の作品の「わたしの屍体を地に寝かすな」という詩行が先行していたことは、田村自身が明かしている。

まねびなのか、本歌取りなのか、倣いなのか、それとも剽窃なのか。考え始めると面白い。

そのあとの飲み会では細見氏を囲んで、秋山基夫氏、斎藤恵子氏と一緒にうだうだと。
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by akirin2274 | 2016-09-27 20:22

秋の行事 (磯村)   

9月になり、秋の行事の案内が届き始めている。

10月はじめの「新庄ー蒜山スーパー・トレイル」の参加通知書が来た。
私が申し込んだのは25kmのミドルコースで、制限時間は8時間。
このハーフ・マラソン+α程度の距離で、この制限時間の長さ!
これはかなり難コースなのだろうとは思っていた。

コース図を確認したら・・・。
標高500mの地点からスタートして800mあまりの山に上り、いったん下ってから今度は1000mあまりの山に登る。
その間も平地はないので、上っては下りの連続のようだ。
累積標高差(トータルで上がる高さ)は約1500mとなる。
はたして完走(完歩?)できるか・・・。

11月のおかやまマラソンの案内も来た。
こちらはドクター・ランナーとして参加するので、速さは無視して走るので気は楽。
一応5時間半で走ると登録しているので、かなりゆっくりでいける(はず)。
事前に救護の打ち合わせのようなものをおこなうので集まるようにとのこと。

それに、それに。
どうせ抽選で外れるだろうと思いながら申し込んだ「夜会」に当選した。
この「夜会」というのは、中島みゆきのコンサート名。
今回はVol.19「橋の下のアルカディア」で、20回ほどの公演がおこなわれる。
熱烈なファンが多い中島みゆきのコンサートなので、なかなか抽選に通らないと聞いていたのだ。

彼女のコンサートはかなり以前に2回ほど行ったことがある。
哀切な歌とはうらはらに、その語りは抱腹絶倒の面白さというのが彼女の舞台の特徴である。

さて、仕事のやりくりを工夫して、と。
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by akirin2274 | 2016-09-22 21:32

「MOMAT展」 (磯村)   

東京近代美術館で収蔵品展を見る。

ハイライトの部屋にはセザンヌの花の絵、ブラックのキュビズムで描いた女のトルソ、岸田劉生の「麗子五歳の図」など。それにクレーにピカソと、有名作家の作品が並んでいた。
中でも佐伯祐三「ガス灯と広告」、靉光「頭のある風景」は好かった。

続く展示室では、大正時代から戦後までの作品が年代別に並べられていた。

c0138026_2352628.jpg今回、一番嬉しかったのは、古賀春江「海」に出会えたこと。
これまで画集では見ていたのだが、実物を見るのは初めてだった。
そうか、ここに収蔵されていたのか。
水着の女性、潜水艦、飛行船、大型帆船、それに工場地帯や灯台、魚や鷗が見事な調和で描かれていて、どこか不安を孕んだ美しい絵となっている。

ほかには、野田英夫の「帰路」、松本竣介の「黒い花」「N駅近く」の黒い抒情に惹かれた。

最後近くにあった福島秀子の抽象的な水彩画5点には得るものが多かった。
いつまでも物の形に寄りかかっていてはいけないなあ。
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by akirin2274 | 2016-09-17 23:54

褒められて (磯村)   

午後から少し時間ができた。
で、マスカット公園にスケッチへ出かけてみた。

木陰になっている場所を見つけて、大空に弧を描いている球場の大屋根を描き始める。
手前には苦手な木々が重なり合っている。仕方がないなあ。
鉛筆であたりをつけて大まかな形を取っていく。全体のバランスはこれでいいか?

公園の広場では子どもたちが遊んでいる。
と、その中の5、6人がやって来た、小学校高学年ぐらいだろうか。
いきなり男の子が「上手いなあ」と褒めてくれた。おやおや、ありがとう。
別の子が「こんなに上手く絵を描ける人を初めて見た」。おお、おお、ありがとう。
すぐに子どもたちは遊びに戻っていく。

全体の構図が決まったところで、あとはペンでぐいぐいと線描をしていく。
線が歪んだり、つじつまが合わなくなるところも出てくるのだが、それは”味”ということで、自分を納得させてしまう。

するとまた子どもたちが戻ってきて、「あ、ずいぶん出来上がっている」。
そのあとも何回となく絵が仕上がっていくのを覗きに来る。こちらも張り切っちゃうぞ。
女の子は「私のクラスのタカシ君も絵が上手いんだよ」と教えてくれる。
c0138026_20503287.jpg
グリザイユ描法で影を付けたところで本日は終了となった。
次に彩色に行ったときに、あの子たちはまた遊んでいるだろうか。
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by akirin2274 | 2016-09-13 20:52

素晴らしい詩集たち (瀬崎)   

毎年3月頃から詩集の発行が増えてくる。
今年もそれから6ヶ月が経った。
今年は素晴らしい詩集が多い気がする。

ちょっと思い出すだけでも、廿楽順治「怪獣」、高塚謙太郎「sound & color」、阿部嘉昭「石のくずれ」、原田道子「かわゆげなるもの」、荻悦子「樫の火」、北原千代「真珠川」、野崎有以「長崎まで」、河口夏実「雪ひとひら、ひとひらが妹のように思える日よ」、林美佐子「発車メロディ」・・・。
すごい。

昨日は神尾和寿「アオキ」が届いて、今日は坂多瑩子「こんなもん」が届いた。
すごい。

思潮社の現代詩文庫も次々に新刊が出ている。
先日、「暮尾淳詩集」を読み終えたと思ったら、昨日は「近藤洋太詩集」が届いて、今日は「広瀬大志詩集」が届いた。
私のように20年ぐらい詩の世界から遠ざかっていた者には、欠落した期間を埋めてくれる選詩集はとてもありがたい。

さて、私の詩集「片耳の、芒」も、順調にいけば今月末にはできるのではないだろうか。
素晴らしい詩集たちの一角にそっと忍び込めるか。
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by akirin2274 | 2016-09-09 21:37

詩客 (瀬崎)   

忘れていたが、WEBの文芸誌「詩客」に原稿を書いたのだった。

「詩客」は、詩、短歌、俳句の短詩系3分野を扱っているWEB誌。
詩・歌・句、で”しかく”というわけだ。

ここに依頼されて2~3ヶ月に一度「自由詩時評」を書いている。
この欄は基本的に隔週更新で、現在の他執筆陣は、海東セラ、藤井貞和、中家奈津子、山田亮太、平井謙各氏など、のようだ。

5月19日号には「『ホフマニアーナ』を読む」を書いた。
そして8月21号には「”詩が広がるとき”によせて」を書いた。

これは「現代詩手帖」8月号の特集「2010年代の詩人たち」で掲載されていた最果タヒ、三角みずき両氏の詩作品を例にして、作品世界の広げかたを考察したもの。
アドレスは下記の通り。

  http://blog.goo.ne.jp/siikaryouzannpaku/e/bca9a53dbaed046accc32a7082438d4a

いつもはぼんやりと感じていることを、こういう機会が与えられると整理して考えることになる。
よい機会をいただいていると思う。
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by akirin2274 | 2016-09-02 00:35