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なんば・みちこ氏追悼 (瀬崎)   

長く岡山の詩の世界を牽引してこられたなんば・みちこ氏が2月18日に亡くなられた。
享年89歳。あと数日で90歳だった。

ご主人の故・井奥行彦氏が作られた詩誌「火片」をお二人で支えてきた。
なんば氏を悪く言う人には出会ったことがない。陰口もきいたことがない。
それぐらい、なんば氏は誰に対しても優しく包容力のある方だった。

私は岡山で詩を書き始めたのはかなり遅かったのだが、その当初から親切に接してもらった。長く岡山県詩人協会の理事会ではご一緒してきた。
感謝あるのみである。

かなり前のことになるが、日本詩人クラブの岡山大会がおこなわれたときには実行委員長の井奥氏とともに運営にあたられた。
私は事務長としてそのお手伝いをしたのだが、なんば氏の各方面への気配りには感心したものだった。

大会翌日の吉備路バス観光では車内でなんば氏がマイクを片手に案内役をされたのだが、私の隣に座ってその姿を見ていた当時の理事長のKさん(女性です、念のため)が、なんばさんて本当におきれいね、と言われたことを思いだす。

葬儀には仕事の都合で参列できないので、前日に総社セレモニー・ホールでおこなわれた通夜に伺った。
遺影のなんば氏はいつものように優しくほほえんでいた。
多くの方に混じって焼香をし、安置された最後のお顔を拝見してきた。棺の傍らには娘さんのひとはなお氏の姿もあった。

ご冥福をお祈りする。


# by akirin2274 | 2024-02-21 11:54

聖良寛賞表彰式 (瀬崎)   

昨年11月に選考した聖良寛賞の表彰式がおこなわれた。

会場は玉島市民センターだったのだが、そこではいくつかの催し物がおこなわれていた。
そこで偶然に、仕事をセミリタイアするまで20年余りの付き合いがあった女性から声をかけられた。
高校生だった頃から知っていたから、彼女ももう50歳近くになっているわけだ。
最後に会ってから10年以上が経っている。なつかしい邂逅であった。

こういう仕事をしていると、長い付き合いがあった方も少なくない。
そういった方々からいまだに感謝の言葉をかけられると、仕事冥利に尽きるなとしみじみ思う。

さて。今年の聖良寛賞は2名の受賞者だった。
賞状の授与があり、つづいてそれぞれの受賞講演があった。

漢文学の森熊男氏は山田方谷の研究家でもあるのだが、今日は論語についての話だった。各地で論語の読み方教室などもされており、判りやすく面白い内容だった。
たまたま隣に座っていたのは私の会社に以前勤務していた方で、森氏の論語教室の生徒さんということだった。
倉敷の町は狭いなあ。

もう一人の受賞者は幻想小説の山尾悠子氏である。
山尾氏には今年1月の日本詩人クラブ岡山例会での講師をしてもらった。今日の話はその講演の内容と概ね似たものだった。

この聖良寛賞は受賞対象とする範囲が広いので選考には苦労するが、その多岐にわたった内容は他の賞にはない意義を持っている。


# by akirin2274 | 2024-02-19 21:45

人間ドック (磯村)   

毎年1月終わりに人間ドックを受けている。その結果が帰ってきた。

血液検査による内臓機能は、軽度の貧血を除いては、肝臓、腎臓、脂質代謝、糖代謝などすべて異常なかった。
軽度の貧血はいわゆるジョガー貧血と言うものと考えている。
これは長距離走の際にくり返し足底で打ちつけられる血管の中で赤血球が壊れることから生じるもの。
私の歩幅だと10km走をすれば12,000歩あまりとなり、その回数だけ赤血球も衝撃を受けているわけだ。まあ、これは病的なものではないので放置可である。

唯一の内服治療中である病気の痛風も、真面目な服薬で落ち着いている。
念のために4種類の腫瘍マーカーもチェックしてみたが、いずれも異常なしだった。

視力も著変はなかった。しかし、気がつかない間に白内障が進んでいるのではないかとの懸念がある。
文字の読み書きの時に老眼鏡が必要なだけで日常生活上に支障は出ていないのだが、どうなのだろうか。
聴力の検査値にも著変はなかった。しかし自分ではテレビの会話が以前より聞き取りにくくなっている気がするのだが・・・。

毎年指摘されている不整脈だが、最近はその頻度が減少している。なぜだろう? 
自然軽快する事ってあるのだろうか。まあ、結果よければ好しとしよう。
苦手な胃の造影検査も例年通りに陳旧性の十二指腸潰瘍の所見のみだった。医師には胃カメラにしてはどうですかといわれるのだが、あれは苦しそうなので断っている。

問題なのは、4年ぶりに検査が再開された呼吸機能検査の結果。
一秒率の数値はなんと95歳相当。ありゃあ。
しかし、あの検査はかなり要領が関係するからなあ。運動時の息切れ状態は特に変わりないし、大丈夫だろう。

それにしても、数字の検査結果にはあらわれない記憶力や思考力、バランス感覚の衰退など、加齢による能力変化はひしひしと感じる。情けないな。
この身体とあと何年ぐらい付き合っていくことになるのだろうか。


# by akirin2274 | 2024-02-14 22:15

矢掛本陣文学賞の表彰式 (瀬崎)   

おかやま矢掛本陣文学賞の表彰式が矢掛文化センターであった。
詩、短歌、俳句、川柳、随筆各部門で、一般の部、18歳以下の部でのそれぞれの本陣賞、佳作が表彰された。

来賓の祝辞の後に、詩部門の選評を述べた。
応募資格が矢掛町に居住しているか、あるいは勤務していることなので、一般の部の応募は毎年10名足らずと少なめである。

しかしその土地に根ざした生活から生まれた作品は、作者が詩を書くことによって自分の人生を確かめていることが感じられるもので、それぞれに意味を持つものであった。

小学生の作品はその発想が面白く楽しい。見たもの、体験したことに対する驚きがそのまま言葉になっている。
選をしていても嬉しくなってくるような作品も少なくない。
中学生、高校生になるにしたがって次第に内省的なものがそこに加わってくる。それも悪くない。

小中学生の作品を読んでいてつくづく思うのは、この年代の時にどのような先生にめぐり会えるかがとても大きな影響を及ぼすのだなということ。
国語の熱心な先生が沢山いてくれることを願っている。

ひとつの町でおこなわれている小さな文学賞だが、その意義は決して小さくない。
主催している町議会、教育委員会、それに共催している矢掛町文化協会の取り組みに敬意を表する。


# by akirin2274 | 2024-02-11 16:59

「どぅるかまら」35号合評会 (瀬崎)   

「どぅるかまら」35号合評会 (瀬崎)_c0138026_13015076.jpg
「どぅるかまら」35号の合評会を岡山駅西口の国際交流会館でおこなった。

体調を崩した方や家庭の事情で都合がつかなかった方もいて、いつもよりは少なめの参加者11人でおこなった。
しかしその分、ひとつの作品の批評・感想にかけられる時間に余裕ができる。活発に意見が述べられていく。

拙作「褶曲」にも有用な意見をいくつももらうことができた。
冒頭の「車」から「水路」にイメージが上手くつながっていない。「水路」ではなく、むしろ持ち寄り会の時の「運河」の方が好かったのではないか。
水路は流れ続くものであるから、うち捨てられた案内状が「ながれつく」のはおかしいのではないか。
丘によって世界が分断されているわけだが、1連に出てくる水路と、2連に出てくる水路は、丘のどちらにあるのかが判らない。

褶曲は、地層が押されて歪んで隆起して丘が出来たイメージから来ている。丘が世界を分断するものとして在るという読みをされている方がいて感心した。
他の方々の批評・意見も、どれもなるほどと思わせられるものばかり。これだから合評会はありがたい。

5月には「どぅるかまら」朗読会を企画しており、その相談もおこなった。
場所は日本三大名園の後楽園の中に建つ廉池軒である。優雅な景色を望む部屋で、同人以外の方達にも参加してもらう予定である。

合評会終了後は8人で近くの居酒屋へ。
秋山さんは今夏にも新詩集を出す予定とのこと。すごい。
今日は思わぬ怪我のために欠席だった岡さんも次の詩集の準備をしている。
ご家族のご不幸で欠席だったにしもとさんの新詩集「女は秘密を歩き始めてしまう」も届いている。みんな頑張っている。

次号からは大阪、広島在住の方2名が新しく仲間となる。嬉しい限り。


# by akirin2274 | 2024-02-05 13:07