「ランス美術館展」 (磯村)   

c0138026_11293011.jpg損保ジャパン美術館での70点ほどのこじんまりとした展覧会。

17世紀のバロック、18世紀のロココからフランス革命を経て新古典、ロマン、そしてリアリズム、さらには19世紀なかばからの印象派、ポスト印象派へと続く絵画が年代順に展示されていた。

ドラクロワ、コロー、ドーミエ、クールベといった馴染み深い名前に混じって、先日観てきたシャセリオーも2点が来ていた。
シスレーやピサロの風景画もよかったが、ゴーギャンやドニのポスト印象派の単純化された造型、強調された色彩には感心した。

しかし、今回の展覧会での収穫はなんといってもレオナール・フジタの特集だった。
ランスには彼が発案をして内装画も手がけた教会があり、彼の遺品を保管していた夫人はそのコレクションをランス美術館に寄贈していたのだった。

初期の作品も展示されていたが、初めから人物の目はフジタ特有の意地悪そうな目だった。

フジタの絵の有名な特徴は、細い面相筆での線描と乳白色を基調とした淡い彩色だが、あの独特の線描は戦前の割と早い時期から見られている。
乳白色が際立ってきたのは、戦後になって再度フランスに渡ってからのようだった。
「マドンナ」という絵では、なんと黒人のマリアを黒人の天使たちが囲んでいた。

そして彼の教会「平和の聖母礼拝堂」を飾った壁面のフレスコ画の写真とともに、1メートル半もあるような大きさの木炭による8枚の下絵が展示されていた。
これは見事な素描だった。

さらに3点のステンドグラスの写真とともに、やはり木炭での下絵に加えて、それにフェルトペンでの輪郭線、水彩での着色を施したものも展示されていた。
この大きな彩色下絵には圧倒された。

数年前のレオナール・フジタ展でも観ることのなかった作品に出会えて、好い展覧会だった。



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# by akirin2274 | 2017-06-26 11:37

「日本の詩祭2017」 (瀬崎)   

日本現代詩人会主催の「日本の詩祭2017」がホテル・エドモントでおこなわれた。
朝からその準備で、理事や実行委員会のメンバー40人あまりが集まる。

私は一応は会場係なのだが、今年はH氏賞受賞の北原千代氏の紹介スピーチもしなければならない。
で、理事のピンク色のリボンと、招待者の赤いリボンと2つをつけることになった。これ、可笑しくね?

北原氏の受賞詩集「真珠川Barocco」については語りたいことはいくらでもある。
しかし、持ち時間は7分だからね、と進行係に厳しく言われて、泣く泣く原稿を削りに削った。で、時間通りにぴたりと収めた。
北原さんの、少し関西訛りのアクセントの自作詩朗読もよかった。

H氏賞授賞式、現代詩人賞授賞式、それに先達詩人の顕彰という第一部が終わってみると、なんと時間が余ったとのこと。
なんだ、それなら紹介スピーチをもっと長く話せばよかった・・・。

第二部は波照間栄吉氏の講演「琉球歌謡のことばと表現」。それにベイビー・ブーという男性アカペラ・グループのアトラクションだった。

休憩時間や懇親会では、以前から詩誌のやりとりをしている新井啓子氏や長田典子氏と初めてお会いした。
そのほかにも、無条件に私が好きな詩を書かれる3人の方、KNさん、MSさん、JTさんと話せたのも嬉しいことだった。

懇親会の場では、日本現代詩人会投稿欄の新人賞表彰もあり、受賞者の自作詩朗読もあったのだが、会場がざわついてしまっていたのは残念だった。




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# by akirin2274 | 2017-06-20 22:42

「どぅるかまら」作品持ち寄り会 (瀬崎)    

「どぅるかまら」22号出稿予定作の持ち寄り会があり、今回は12名の出席だった。

始めに来月に迫った出版・受賞祝賀会の段取り打ち合わせ。
第一部はシンポジウム形式で、秋山基夫、岡隆夫、それに私の詩集の批評会をおこなう。
それぞれの詩集に対して、外部者1名、同人1名の発言者も選考した。
第二部は受賞祝賀会で、岡さんはもちろんだが、神奈川県で頑張っているタケイ・リエ氏も帰岡するというので、一緒に神奈川県現代詩賞佳作を祝う予定。

さて、打ち合わせのあとは作品合評会。
斎藤恵子氏の司会で5時半までみっちりとおこなった。

今回は岡崎浩志氏が好い作品を持ってきていた。
辛口批評の秋山氏も珍しく褒めていた。

私は散文詩「満中陰」を持参した。
今年の初めに妻の実家で七回忌がおこなわれたのだが、そのときのできごとがモチーフとなっている。
読経を聞いている、あるいは聞いていたはずの登場人物の置かれている状況が判りにくいようだった。
しかし、これは意図的にそうしている部分もあるので、まあ、こんなところなのだろう。

終了後は8人で倉敷駅前の居酒屋へ。

そういえば、娘婿が設計した駅前の4階建てのビルの覆いがはらわれて、外観が見えていた。
これまで、どんなデザインなのか尋ねても、照れ屋の娘婿はなかなか口にしなかったのだった。


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# by akirin2274 | 2017-06-12 22:34

今年はホノルル (磯村)   

c0138026_21144144.jpgジョギングを始めてから15年あまりが経つ。
はじめの頃はとても無理だと思っていたフル・マラソンも、いつのまにか(ゆっくりと)走りきれるようになった。

しかし、始めたのが年齢的には遅かったので、あっという間に肉体的な衰えがはじまった。
そこでたてた目標は、「節目の年齢でもう一度、初マラソンを走ったホノルルを走りきりたい。そこでマラソンを卒業しよう」というものだった。

ホノルル・マラソンは10回走ったあとは、ここ何年かは行っていなかった。
あと1ヶ月足らずでその節目の年齢となる。
では、今年の12月にはホノルル・マラソンを走らねばなるまいて。

貯まっているマイルを使って無料の航空券でホノルルへ行こうと思っていたが、キャンセル待ちになっていた。
いつまで待っても予約がととれない。
もう6ヶ月を切ってしまった・・・。

ということで、無料の航空券を諦めて、正規料金でホノルルへ行くことにした。
搭乗の日にちで料金はかなり違う。
場合によっては、滞在を延ばしてもホテルの料金以上に飛行機代が安くなる。
さて、何日仕事を休めるか。

ということで、6泊8日の日程で航空券を購入した。

今年ホノルルへ行くと聞いているHさん、T1さん、向こうでお会いしましょう。
そして毎年ホノルルへ行っているT2さん、T3さん、久しぶりにお会いできると嬉しいです。

せっかく行くのだから、(いつかの年みたいな)雨はいかんよ、雨は。


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# by akirin2274 | 2017-06-08 21:28

たたらぎダム湖マラソン (磯村)   

c0138026_11091681.jpg日本の天空の城として有名になった兵庫県の竹田城。その近くの山奥でのマラソン大会に参加してきた。
ダムの堰堤を往復するハーフマラソン。

ダムの麓からスタートして、すぐに90mぐらいの高さを上ってダムの堤にたどりつく。
そこからは小刻みに続くアップ・ダウンをあえぎながら走る。

最初の5kmには32分あまりがかかってしまった。今日のこのコースでは仕方がないな。
気温は27度と暑い。しかし湿度は35%と低く、微風が吹いているのでかなり助かった。

折り返しが1時間4分。後半の疲れを考えると、2時間10分ぐらいのゴールになるかな。
全員とすれ違うのだが、前から2/3ぐらいの順位だった。

最後尾を走ってきた長い白髪をひっつめているお年寄りとすれ違う。80歳は過ぎていると思われる。
ほとんど歩いているようなスピードなので、途中の関門で終了となるのだろう。
実は、この方には先日のユリカモメ70kmウルトラでもお会いした。3週目でリタイアした私に周回遅れとなっていたから、2周でリタイアされたのだろう。
しかし、その走ろうとする意欲には感心する。ジョガーの鏡である。

さて復路。上り坂でもなんとか最後まで歩かずによろよろと走り続けた。
最後の急勾配の下りは膝にくるなあと思いながらゴール。2時間8分だった。
1100人あまりの参加の680位ぐらい。まあ、よく頑張った。

会場には露店が並んでいる。
但馬牛を煮込んだという元気丼の遅い昼食を芝生の上で食べる。
近くのよふど温泉の露天部風呂に入り、のんびりと帰宅した。


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# by akirin2274 | 2017-06-05 11:11

「横尾忠則HANGA展」 (磯村)   

c0138026_21420419.jpg新宿から30分ほどの町田市立版画国際美術館へ行ってきた。
これまで知らなかったのだが、版画だけを対象にしている美術館とのこと。珍しい。
で、今回は大好きな横尾忠則の版画展。

横尾の出発点が商業美術にあることはだれでも知っているだろう。
土方巽の前衛ダンス公演や唐十郎の状況劇場、寺山修司の天井桟敷のポスターには、私も魅了されたものだった。

これらはポスターとしての印刷物だったわけだが、東京国際ビエンナーレ展のポスターはアート版画として認められたわけだ。

今回の展覧会では、そんな横尾のファイン・アートとしての印刷物、シルクスクリーンやリトグラフ、木版画など200点あまりが展示されていた。
初期の「聖シャンバラ」全10点を見ることができたのは素晴らしいことだった。

とにかく彼は、あらわしたい対象を秩序を無視して画面に放り込んでくる。
混沌として、暴力的な画面を構成する。
そして既成の概念も巧みに利用する。名画の一部を取り入れたりもする。なんでもやってしまう。

後年には、平凡パンチに描いた浅丘ルリ子の裸体画や、少年マガジン表紙を飾った「巨人の星」や「あしたのジョー」も版画作品として作っていた。
また最近のプリマグラフィなる版画ともコラージュともつかぬ作品も15点あった。
これらでは異次元の光景が錯綜していて、いくらでも想像力を刺激してくれるようだった。

A4版よりも一回り大きい250頁あまりの豪華なカタログを、重いので躊躇したのだが、やはり購入してきてしまった。

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# by akirin2274 | 2017-06-01 21:45

「ERA」合評会 (瀬崎)    

c0138026_23575317.jpg
詩誌「ERA」第三次8号合評会が東大駒場であった。
会場はこれまでの会議室ではなく、レストラン奥の和室だった。

18人の同人が北は青森、南は鹿児島から集まった。
それに、今回は寄稿者として日原正彦氏も参加してくれたのは嬉しいことだった。

その日原氏の作品「美しきもの」には心打たれたのだが、その一方で、ここまで言ってしまっていいのだろかという思いもあった。
しかし吉野令子氏の批評を聞いて、すとんと納得がいった。
そうだったんだな。

拙作品「(小部屋に人の姿はなく」に対してもいろいろな意見をもらうことができた。
具象と抽象が適度に混在している、色彩の明暗がよく出ている、という意見に加えて、今回は悪の部分がない、もっと危険に迫ってほしい、という貴重な意見ももらえた。
確かに、今回は父が登場してきてしまったので、素直な息子としての作者がいたようだ。

5時間にわたる合評会は内容の濃いものだった。
しかし、必死にやったものだから、終わったときにはぐったり。
懇親会でビールを飲みながら、尾世川正明氏や田村雅之氏らと、いやあ、疲れたねえ、と。

疲れたものだからお酒が気持ちよく回る。ワインも飲みすぎた。
饒舌に何を話したのかも覚えておらず、ついにはホテルへ引き上げる山手線では気分不良となってしまった。
帰途が同じ方向だった田中眞由美氏に断って途中下車。
少し酔いを覚ましてから再び電車に乗るという情けない幕切れだった。


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# by akirin2274 | 2017-05-26 00:03

広島県詩人協会で講演 (瀬崎)   

先日、広島県詩人協会の総会があり、そこでの講演依頼を受けていた。

広島駅前のヒロデン・ホテルでの会は30人あまりの出席者だった。
タイトルは「作品世界の広げ方 ~私もこんな風に書いてみたい」として、私が最近考えていることを話した。

作者と作品の関係をおさえた上で、作品は私をどこへ連れて行ってくれるか、ということが基本的な命題となっている。
そのためには恣意的に世界を広げなくてはならないわけだ。
しかし、現実世界ではどんなに絵空事であっても、作品世界ではリアリティがなければならない。
やはり問題となるのは、どれだけ切実な言葉を自分の奥からもらってくるかということなのだろう。

書くことによって、水平方向にどこまでも遠くへ行こうとする作品として最果タヒ氏の「球体」を取りあげた。そして豊穣に広い世界を囲い込む作品として曉方ミセイ氏の「怪予兆」を取りあげた。
松浦寿輝氏の「冬の猫」は、今度は水直方向にどこまでも潜りこんでいく作品として紹介した。

予定していた1時間半で、おおよそ話したいことは込めることができた。

会場を移しての懇親会では初めてお会いする方も多く、楽しいひとときだった。
会長の木村大刀子氏、そのご主人の高垣憲正氏には大変に気遣いをしてもらった。感謝あるのみ。

さらに事務局長の豊田和司氏らに誘われて二次会へ。和気藹々、抱腹絶倒のひととき。
さらにホテルのバーでの三次会と、広島の皆さんにはお世話になりました。


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# by akirin2274 | 2017-05-22 21:14

「ターナーからモネへ展」 (磯村)    

広島県立美術館で、ウェールズ国立美術館所蔵品の展覧会。
5つの章に分けて80点近い作品が展示されていた。

「ロマc0138026_21515632.jpgン主義」では、ターナーの作品が水彩、油彩それぞれ3点ずつが展示されていた。

水彩画の基礎を作ったといわれるターナーだが、今回はバニントンの「ルーアンのサン=トゥアン教会の鐘楼」のくっきりとした描写に惹かれた。
そしてエドワード・リアの素描「ジュアン湾」には唸った。
ペンによる線描に淡彩がほどこされているだけなのだが、その作品世界の広がりはすばらしかった。

だいたいがロマン主義の絵は好きである。
油彩ではジョン・コンスタンブルやジェームズ・ホーンなどの作品もよかった。

それに比して、「リアリズム」のドーミエやミレー、クールベになると、上手いなあとは思うのだが、それだけ。
さらに「印象派」になると、マネやモネルノワールが並んでいたが、きれいだなあと思って、それだけ。

「パリのサロンとロンドンのアカデミー」と題された章では、アンドリュー・マッカラムの「雨後の秋の日差し」が水彩の大作で目を見張った。
不透明水彩ではあったが、ここまで華やかに描けるのか! 
木洩れ日の白色の使い方には感心した。

「ポスト印象派」ではやはりセザンヌやヴラマンクがよかった。
まったく知らないエドナ・ホールという人の水彩画「浜辺の裸婦」は、何か劇的なものを予感させる絵だった。

同館の所蔵品展もやっていて、シュルレアリスムの絵を展示していたのは嬉しかった。
ダリの大作「ヴィーナスの夢」では、あの歪んだ時計、燃えるジラフ、それに引き出しのある人体、蟻が群がる肉片と、お馴染みのモチーフが青空の下の砂漠に点在していた。

ほかに、カンディンスキーや、マン・レイ、マグリットなども並んでいて、こちらも堪能した。



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# by akirin2274 | 2017-05-15 21:58

ヤフオク (瀬崎)   

娘がヤフー・オークション(ヤフオク)なるものをしている。
要らなくなった子供の服を出品したりしているようだ。いろいろなものも探すと安く買えることがあるという。

で、空いた時間にどんなものだろうと覗いてみた。そうだな、古い詩集でも出品されていないかな。
古本屋をまわる感覚である。

おお、この詩集は! と思ったものは驚くほどの高値が付いている。
たとえば萩原朔太郎の「月に吠える」は10万円近い。さすがに恩地孝四朗の木版画も付いている初版本だけはある。

あまり高くないものをさがして、5点ほど入札してみる。
するとすぐにその値段を上回って入札してくる人がいる。ほしがっている人がいるのだなあ。

結局、菱山修三の詩集「定本懸崖・荒地」(青磁社昭和17年刊 初版)を落札した。納得できる範囲の値段だった。

同じ昭和17年の東京創元社刊の三好達治詩集「一点鐘」も、とても安く即決で落札した。
ただ、この詩集は、ホルプ版「三好達治詩集」の安西均の解説に拠れば昭和16年に刊行されているので、再版か、復刻版なのだろう。

ついでに清水昶の評論集「詩の根拠」も安かったので落札した。

ただでさえ本の整理に困っているのに、つい、こんな買い物をしてしまって、どうするんだ?


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# by akirin2274 | 2017-05-08 20:46