拙詩集の覚え記録 (瀬崎)   

「現代詩手帖」の巻末には、思潮社からの出版物の広告が載る。
新しく出た詩集は、作者の顔写真も掲載される。
で、拙誌集「片耳の、芒」の広告も10月号から載っている。その惹き文句は、

「分断された虚実が結びつくとき、二重写しの彼方から捻れた風が囁き出す。
 欠けた風景に名は消え、言葉はいつまでも肉体を裏切る。
 異貌の物語に誘う第6詩集。」

また、「現代詩手帖」には「スクランブル・スクエア」という出版物案内を中心としたコラムのような頁もある。
11月号のその欄に拙詩集の紹介記事も載っていた。

「瀬崎祐「片耳の、芒」は第6詩集。氏はこれまで現実に拮抗す
る虚構を追求してきたが、その二つは結びつき、容易に入れ替え
ることを識る。本誌集では虚実の分水界に立って言葉を研ぎ澄ま
せる。その水は読む者の意識に流れこみ、眼前の現実の裏にある
虚へと意識を向かわせる。新たな境地を示す野心的な一冊。」

また、読んでいただいた方々から、毎日のように感想や批評のお手紙、葉書が届く。
インターネット上のブログや、ツィッターに感想を書いてくれた方々もいる。
居酒屋で飲みながら、詩集評をしてくれる方々もいた。
どれも嬉しく、ありがたい。
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# by akirin2274 | 2016-11-04 00:26

大阪マラソン (磯村)   

c0138026_20161517.jpg5年ぶりに大阪マラソンを走ってきた。
気温も20度ぐらいまでと暑くならず、風もほとんどないという絶好のマラソン日和だった。参加者は3万2000人あまりだったとのこと。

大都市マラソンの魅力は、繁華街を駆け抜けるそのコースにある。
この大会は、大阪城公園からスタートして大阪の街中を走りぬける。
御堂筋も走るし、京セラドームのあたりにも行く。
ゴールは南港のコスモスクエア。

沿道の応援も途切れることがないのが嬉しい。
1万人以上が海外からの参加者で、特に台湾、韓国、タイなどからが多かったようだ。
なかにはタイの国旗をずっと持ったまま走っている人もいた。

この大会の名物は33km地点にある”まいどエイド”。
100mぐらいにわたって、いろいろな食べ物を渡してくれる。塩漬けゴボウ、バナナ、あんパン、梅干し、桜餅まんじゅう、パイナップルの缶詰、たくわん、おにぎり、チョコレートに飴。
なくなりかけたカロリーも補給するのだが、なんといっても塩分の補給が必要。冷たい塩水につけたキュウリは美味しかった。
ついつい立ち止まって食べてしまう。ありがたいのだが、かなりのタイムロスにはなっているなあ。

南港へわたる大橋の上りで、ついに200mぐらい歩いてしまう。う~ん、根性が足りなかったか。

なんとか目標をクリアして、5時間9分でのゴールだった。
5年前のこの大会は5時間1分で走っていた。
60歳を過ぎると1歳歳をとる度に10kmの走力は1分落ちるとのこと。
すると、フル・マラソンの距離では、1年経てばタイムは4分あまり遅くなることになる。すると5年前に比べれば20分遅くなるところだが、10分足らずの遅さでカバーできたことになる。
よくやったと、自画自賛。

ちなみに、iPS細胞の山中教授は3時間40分あまりの自己新で完走したとのこと。すばらしいなあ。
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# by akirin2274 | 2016-11-01 20:19

岡山県文学選奨委員会 (瀬崎)   

天神プラザで岡山県文学選奨の選考委員会があった。

これは岡山県が主催しているもので、春から長編小説、短編小説、随筆、現代詩、短歌、俳句、川柳、児童文学の8部門で作品を募集していた。
総数で400人あまりの応募があり、それを、それぞれの部門で2名の審査員が選考し、入選、佳作、準佳作等を決めていた。

瀬崎は総合審査員ということで、送られてきたその選考結果を受けて、もうひとりの総合審査の方と選考が妥当か否かを協議していた。

ある部門では選考が甘いのではないかと瀬崎が思うものもあった。
審査員の意見としては、確かにやや甘い評価であることは否めないのだが、広く応募を促すためにもあまり敷居を高くしない方が良いのではないか、ということであった。
なるほど、と思わされた。
たしかにこの県文学選奨の趣旨は「県民の文芸創作活動を奨励する」となっている。
行政としては、ひとりのピカソを求めているのではなく、100人の県民の生きがい支援を求めているわけだ、
なるほど、私はまだまだ人間性が狭いなあ。

今日の委員会では、すべての部門で選考結果が妥当ということで了承された。
その他には、作品の長さに関する応募規定の検討などがなされた。

来月には県庁でこの授賞式がおこなわれる。
行政がおこなっているイベントということで、懇親会にもお酒がでないのはつまらないなあ。
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# by akirin2274 | 2016-10-28 00:19

「漱石 絵葉書の小宇宙」展 (磯村)   

c0138026_21463375.jpg駒場の旧前田侯爵邸をスケッチしようと行ってみたら、改装工事中だった。残念。

ということで、近くにある日本近代文学館で「漱石 絵葉書の小宇宙」展を見てきた。
漱石の元へ送られて来た絵葉書、そして漱石が出した絵葉書の展示ということなので、軽いスケッチ絵を楽しめるかと思った。

漱石が自ら絵を描いた絵葉書も6葉展示されていた。
漱石は絵も習っていて、描くことは好きだったようだ。西洋裸婦の模写もしていた。

しかし、漱石に送られてきていた絵葉書のほとんどは当時の既成(印刷された商品)のものだった。
なあんだ。自筆の絵葉書じゃないんだ。
解説によると、明治終わり近くになって絵葉書が送れるようになったとのことだった。
そこで洒落た外国製絵葉書などが大人気となったようだった。
当時の風俗も窺い知れて、それはそれで面白いものだった。

別室では「川端文学のヒロイン」展をしていた。
川端康成は初恋の相手とは婚約までしていたのだが、あるとき相手の女性から、哀しいことが起きましたと言われて、詳しい事情も告げられずに破談になったとのこと。
川端はこのことをモチーフにして何編もの小説を書いている。

その後の「伊豆の踊子」や「雪国」、「眠れる美女」にもモデルがいたとのこと。
やはり恋心が芸術の原点となるか。
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# by akirin2274 | 2016-10-24 21:48

昨日の補遺 (瀬崎)   

詩集「片耳の、芒」のカバー写真の資料を、記録のために。c0138026_2323036.jpg
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順に、オリジナルのカラー写真、セピア色にドアの赤色、グレーにドアの赤色、ブルーにドアの赤色。
オリジナル写真は、地面を水平にしたので水平線がわずかに傾いている。
出来上がりは、水平線が水平になるように調節してもらった。
最終的にグレー版の採用となったのだが、出来上がりは、明度をぐんと上げて彩度を落としていた。
さすがにプロのデザイナーは、やることが違うなあと感嘆した。
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# by akirin2274 | 2016-10-13 23:10

詩集「片耳の、芒」 (瀬崎)   

c0138026_23543232.jpg春先から準備をしてきた6冊目の詩集「片耳の、芒」が出来上がってきた。

6冊目といっても、はじめの2冊は若いころに出したもので、その後約20年間は詩の世界から離れていたので、自分としては第3詩集の「風を待つ人々」からが今の自分につながっているように思える。

それはさておき。
今回の詩集、内容にも当然こだわりはあるのだが、表紙カバーにもこだわった。
当初はデザインはすべて思潮社におまかせしようかとも思ったのだが、やはり自分の好みを通したくなった。

で、素材としてチュニジアで撮ってきた地中海海岸の写真を選んだ。
青い空に青い海の写真なのだが、これを単色に落としてみた。
セピア色に落としたもの、ブルーに落としたもの、グレーに落としたものを作ってみた。
そして海岸の建物のドアだけに赤色を差した。

デザイナーに相談して、グレーに落としたものを使用することとなった。

あとのデザインはデザイナーに任せた。
カバー紙色はグレーに合わせた薄ねず色となり、帯の色がドアの差し色に合わせた臙脂色となった。
茫漠とした雰囲気のものとなった。

黒色できっちりと描かれたタイトルと著者名がわずかに写真にかかっていて、風景と絡み合っている。

このような意匠に包まれた詩集だが、内容については読む人のものとなる。
少しずつ発送を始めている。
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# by akirin2274 | 2016-10-12 23:56

新庄・蒜山 スーパー・トレイル (磯村)   

c0138026_21521248.jpg岡山県の山間で開かれる新庄・蒜山スーパー・トレイルに参加してきた。
この大会、どこにも”ラン”の言葉がない。
その通りに、山肌を切り開いたコースを這い上がり、滑り降りてきた。

私が参加したミドルコースは25kmで、制限時間は8時間。
累積標高差(トータルで上がる高さ)は約1500mとなる。
要するに、1500mの山に登り、降りてきたようなもの。う~む。

標高500mの地点からスタートして、まず850mの山に上る。
勾配は急で、早くも息が上がる。
しかし、会社の9階の自室までエレベーターを使わずに毎日何回も上り下りしていた甲斐が、少しはあったか。

いったん200mほど下ったところの第1エイドで8.5km。
時間はすでに1時間50分が経っている。
係員のおじさんが、さあ、これからが本番だよ、と声をかけてくる。
隣で給水していた女性二人組が、山道を登るのはもう充分に堪能したんだけどなあ、とぼやいている。

そこからは、これまでの勾配がまだ生やさしかったことを思い知らされた。
やっと標高1050mの白馬山山頂にたどりつく。
ここまでの8kmでは2時間あまりがかかった。ふーっ。

そこからは下っては上りの繰り返しで、笹藪を切り開いた小径や、水が流れてえぐれたような赤土斜面をすすむ。
特に辛かったのは下り。
傾斜が急なので、足をとられそうになっては踏ん張る。その瞬間にふくらはぎが痙るのだ。痛い!
実際に滑って泥まみれにも2回なった。

やっと標高1060mの笠杖山山頂に着き、そこからは急斜面の下りが続く。
高所恐怖症の身としては、転げ落ちそうな角度の下りは下を見ただけで足がすくむのだ。

下ってくだって、やっと着いた第2エイド。
この5kmにはやはり2時間近くがかかっていた。やれやれ。

ここまでくれば、やっと舗装された道になる。
痛む足を引きずってよろよろと走り、なんとか6時間20分で完踏出来た。やれやれ。

参加者名簿を見ると、私より年長の方は1人しかいなかった。
50歳以上の部でみると、83人中43位だった。若い人に交じってよく検討したというところか。

しかし、私より年長のただ一人の方は、なんと82歳。
そして私より7分早くゴールされていた。すごい人がいるものだ。
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# by akirin2274 | 2016-10-03 21:56

四土の会 (瀬崎)   

詩の勉強の会である四土の会では、毎年秋に外部講師を呼んでいる。
今回は細見和之氏に来てもらった。

大阪文学学校の校長であり、詩誌「ビーグル」の編集委員の一人でもあるのだが、本業はドイツ思想で、この4月からは京大文学部の教授になっている。

先年、石原吉郎に関する評論集を出されていたので、その周辺の話になるかと思っていたのだが、タイトルは「「パウル・ツェラン 「死のフーガ」の成立過程をめぐって」であった。
現在研究中のものだということで、まだ実証ができていないので学術的にはまだ何も言えないのだが、詩人の皆さんだったら実証を飛ばしてでも私の言いたいことが判ってもらえるのではないか、とのことだった。

要点は、有名なツェランの「死のフーガ」には先行する作品があったのではないか、ということ。
ツェランのそれは90行のしっかりとした作品だが、使われている語句、詩われている内容まで類似したヴァイスグラースという人の「彼」という20行の作品があるのだ。
世界中の学舎がどちらが先かを研究しているという。

細見氏の着目点が面白い。
「死のフーガ」を読んだあとに、詩人たるもの、「彼」のような作品をわざわざ書くと思いますか?
これには、なるほど、であった。
しかし、学術的にはこれが判断基準にはならないことも自明だ。

田村隆一の有名な「立棺」では、鮎川信夫の「裏町にて」に出てくる”立棺”という言葉や、中桐雅夫の作品の「わたしの屍体を地に寝かすな」という詩行が先行していたことは、田村自身が明かしている。

まねびなのか、本歌取りなのか、倣いなのか、それとも剽窃なのか。考え始めると面白い。

そのあとの飲み会では細見氏を囲んで、秋山基夫氏、斎藤恵子氏と一緒にうだうだと。
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# by akirin2274 | 2016-09-27 20:22

秋の行事 (磯村)   

9月になり、秋の行事の案内が届き始めている。

10月はじめの「新庄ー蒜山スーパー・トレイル」の参加通知書が来た。
私が申し込んだのは25kmのミドルコースで、制限時間は8時間。
このハーフ・マラソン+α程度の距離で、この制限時間の長さ!
これはかなり難コースなのだろうとは思っていた。

コース図を確認したら・・・。
標高500mの地点からスタートして800mあまりの山に上り、いったん下ってから今度は1000mあまりの山に登る。
その間も平地はないので、上っては下りの連続のようだ。
累積標高差(トータルで上がる高さ)は約1500mとなる。
はたして完走(完歩?)できるか・・・。

11月のおかやまマラソンの案内も来た。
こちらはドクター・ランナーとして参加するので、速さは無視して走るので気は楽。
一応5時間半で走ると登録しているので、かなりゆっくりでいける(はず)。
事前に救護の打ち合わせのようなものをおこなうので集まるようにとのこと。

それに、それに。
どうせ抽選で外れるだろうと思いながら申し込んだ「夜会」に当選した。
この「夜会」というのは、中島みゆきのコンサート名。
今回はVol.19「橋の下のアルカディア」で、20回ほどの公演がおこなわれる。
熱烈なファンが多い中島みゆきのコンサートなので、なかなか抽選に通らないと聞いていたのだ。

彼女のコンサートはかなり以前に2回ほど行ったことがある。
哀切な歌とはうらはらに、その語りは抱腹絶倒の面白さというのが彼女の舞台の特徴である。

さて、仕事のやりくりを工夫して、と。
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# by akirin2274 | 2016-09-22 21:32

「MOMAT展」 (磯村)   

東京近代美術館で収蔵品展を見る。

ハイライトの部屋にはセザンヌの花の絵、ブラックのキュビズムで描いた女のトルソ、岸田劉生の「麗子五歳の図」など。それにクレーにピカソと、有名作家の作品が並んでいた。
中でも佐伯祐三「ガス灯と広告」、靉光「頭のある風景」は好かった。

続く展示室では、大正時代から戦後までの作品が年代別に並べられていた。

c0138026_2352628.jpg今回、一番嬉しかったのは、古賀春江「海」に出会えたこと。
これまで画集では見ていたのだが、実物を見るのは初めてだった。
そうか、ここに収蔵されていたのか。
水着の女性、潜水艦、飛行船、大型帆船、それに工場地帯や灯台、魚や鷗が見事な調和で描かれていて、どこか不安を孕んだ美しい絵となっている。

ほかには、野田英夫の「帰路」、松本竣介の「黒い花」「N駅近く」の黒い抒情に惹かれた。

最後近くにあった福島秀子の抽象的な水彩画5点には得るものが多かった。
いつまでも物の形に寄りかかっていてはいけないなあ。
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# by akirin2274 | 2016-09-17 23:54