「漱石 絵葉書の小宇宙」展 (磯村)   

c0138026_21463375.jpg駒場の旧前田侯爵邸をスケッチしようと行ってみたら、改装工事中だった。残念。

ということで、近くにある日本近代文学館で「漱石 絵葉書の小宇宙」展を見てきた。
漱石の元へ送られて来た絵葉書、そして漱石が出した絵葉書の展示ということなので、軽いスケッチ絵を楽しめるかと思った。

漱石が自ら絵を描いた絵葉書も6葉展示されていた。
漱石は絵も習っていて、描くことは好きだったようだ。西洋裸婦の模写もしていた。

しかし、漱石に送られてきていた絵葉書のほとんどは当時の既成(印刷された商品)のものだった。
なあんだ。自筆の絵葉書じゃないんだ。
解説によると、明治終わり近くになって絵葉書が送れるようになったとのことだった。
そこで洒落た外国製絵葉書などが大人気となったようだった。
当時の風俗も窺い知れて、それはそれで面白いものだった。

別室では「川端文学のヒロイン」展をしていた。
川端康成は初恋の相手とは婚約までしていたのだが、あるとき相手の女性から、哀しいことが起きましたと言われて、詳しい事情も告げられずに破談になったとのこと。
川端はこのことをモチーフにして何編もの小説を書いている。

その後の「伊豆の踊子」や「雪国」、「眠れる美女」にもモデルがいたとのこと。
やはり恋心が芸術の原点となるか。
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# by akirin2274 | 2016-10-24 21:48

昨日の補遺 (瀬崎)   

詩集「片耳の、芒」のカバー写真の資料を、記録のために。c0138026_2323036.jpg
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順に、オリジナルのカラー写真、セピア色にドアの赤色、グレーにドアの赤色、ブルーにドアの赤色。
オリジナル写真は、地面を水平にしたので水平線がわずかに傾いている。
出来上がりは、水平線が水平になるように調節してもらった。
最終的にグレー版の採用となったのだが、出来上がりは、明度をぐんと上げて彩度を落としていた。
さすがにプロのデザイナーは、やることが違うなあと感嘆した。
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# by akirin2274 | 2016-10-13 23:10

詩集「片耳の、芒」 (瀬崎)   

c0138026_23543232.jpg春先から準備をしてきた6冊目の詩集「片耳の、芒」が出来上がってきた。

6冊目といっても、はじめの2冊は若いころに出したもので、その後約20年間は詩の世界から離れていたので、自分としては第3詩集の「風を待つ人々」からが今の自分につながっているように思える。

それはさておき。
今回の詩集、内容にも当然こだわりはあるのだが、表紙カバーにもこだわった。
当初はデザインはすべて思潮社におまかせしようかとも思ったのだが、やはり自分の好みを通したくなった。

で、素材としてチュニジアで撮ってきた地中海海岸の写真を選んだ。
青い空に青い海の写真なのだが、これを単色に落としてみた。
セピア色に落としたもの、ブルーに落としたもの、グレーに落としたものを作ってみた。
そして海岸の建物のドアだけに赤色を差した。

デザイナーに相談して、グレーに落としたものを使用することとなった。

あとのデザインはデザイナーに任せた。
カバー紙色はグレーに合わせた薄ねず色となり、帯の色がドアの差し色に合わせた臙脂色となった。
茫漠とした雰囲気のものとなった。

黒色できっちりと描かれたタイトルと著者名がわずかに写真にかかっていて、風景と絡み合っている。

このような意匠に包まれた詩集だが、内容については読む人のものとなる。
少しずつ発送を始めている。
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# by akirin2274 | 2016-10-12 23:56

新庄・蒜山 スーパー・トレイル (磯村)   

c0138026_21521248.jpg岡山県の山間で開かれる新庄・蒜山スーパー・トレイルに参加してきた。
この大会、どこにも”ラン”の言葉がない。
その通りに、山肌を切り開いたコースを這い上がり、滑り降りてきた。

私が参加したミドルコースは25kmで、制限時間は8時間。
累積標高差(トータルで上がる高さ)は約1500mとなる。
要するに、1500mの山に登り、降りてきたようなもの。う~む。

標高500mの地点からスタートして、まず850mの山に上る。
勾配は急で、早くも息が上がる。
しかし、会社の9階の自室までエレベーターを使わずに毎日何回も上り下りしていた甲斐が、少しはあったか。

いったん200mほど下ったところの第1エイドで8.5km。
時間はすでに1時間50分が経っている。
係員のおじさんが、さあ、これからが本番だよ、と声をかけてくる。
隣で給水していた女性二人組が、山道を登るのはもう充分に堪能したんだけどなあ、とぼやいている。

そこからは、これまでの勾配がまだ生やさしかったことを思い知らされた。
やっと標高1050mの白馬山山頂にたどりつく。
ここまでの8kmでは2時間あまりがかかった。ふーっ。

そこからは下っては上りの繰り返しで、笹藪を切り開いた小径や、水が流れてえぐれたような赤土斜面をすすむ。
特に辛かったのは下り。
傾斜が急なので、足をとられそうになっては踏ん張る。その瞬間にふくらはぎが痙るのだ。痛い!
実際に滑って泥まみれにも2回なった。

やっと標高1060mの笠杖山山頂に着き、そこからは急斜面の下りが続く。
高所恐怖症の身としては、転げ落ちそうな角度の下りは下を見ただけで足がすくむのだ。

下ってくだって、やっと着いた第2エイド。
この5kmにはやはり2時間近くがかかっていた。やれやれ。

ここまでくれば、やっと舗装された道になる。
痛む足を引きずってよろよろと走り、なんとか6時間20分で完踏出来た。やれやれ。

参加者名簿を見ると、私より年長の方は1人しかいなかった。
50歳以上の部でみると、83人中43位だった。若い人に交じってよく検討したというところか。

しかし、私より年長のただ一人の方は、なんと82歳。
そして私より7分早くゴールされていた。すごい人がいるものだ。
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# by akirin2274 | 2016-10-03 21:56

四土の会 (瀬崎)   

詩の勉強の会である四土の会では、毎年秋に外部講師を呼んでいる。
今回は細見和之氏に来てもらった。

大阪文学学校の校長であり、詩誌「ビーグル」の編集委員の一人でもあるのだが、本業はドイツ思想で、この4月からは京大文学部の教授になっている。

先年、石原吉郎に関する評論集を出されていたので、その周辺の話になるかと思っていたのだが、タイトルは「「パウル・ツェラン 「死のフーガ」の成立過程をめぐって」であった。
現在研究中のものだということで、まだ実証ができていないので学術的にはまだ何も言えないのだが、詩人の皆さんだったら実証を飛ばしてでも私の言いたいことが判ってもらえるのではないか、とのことだった。

要点は、有名なツェランの「死のフーガ」には先行する作品があったのではないか、ということ。
ツェランのそれは90行のしっかりとした作品だが、使われている語句、詩われている内容まで類似したヴァイスグラースという人の「彼」という20行の作品があるのだ。
世界中の学舎がどちらが先かを研究しているという。

細見氏の着目点が面白い。
「死のフーガ」を読んだあとに、詩人たるもの、「彼」のような作品をわざわざ書くと思いますか?
これには、なるほど、であった。
しかし、学術的にはこれが判断基準にはならないことも自明だ。

田村隆一の有名な「立棺」では、鮎川信夫の「裏町にて」に出てくる”立棺”という言葉や、中桐雅夫の作品の「わたしの屍体を地に寝かすな」という詩行が先行していたことは、田村自身が明かしている。

まねびなのか、本歌取りなのか、倣いなのか、それとも剽窃なのか。考え始めると面白い。

そのあとの飲み会では細見氏を囲んで、秋山基夫氏、斎藤恵子氏と一緒にうだうだと。
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# by akirin2274 | 2016-09-27 20:22

秋の行事 (磯村)   

9月になり、秋の行事の案内が届き始めている。

10月はじめの「新庄ー蒜山スーパー・トレイル」の参加通知書が来た。
私が申し込んだのは25kmのミドルコースで、制限時間は8時間。
このハーフ・マラソン+α程度の距離で、この制限時間の長さ!
これはかなり難コースなのだろうとは思っていた。

コース図を確認したら・・・。
標高500mの地点からスタートして800mあまりの山に上り、いったん下ってから今度は1000mあまりの山に登る。
その間も平地はないので、上っては下りの連続のようだ。
累積標高差(トータルで上がる高さ)は約1500mとなる。
はたして完走(完歩?)できるか・・・。

11月のおかやまマラソンの案内も来た。
こちらはドクター・ランナーとして参加するので、速さは無視して走るので気は楽。
一応5時間半で走ると登録しているので、かなりゆっくりでいける(はず)。
事前に救護の打ち合わせのようなものをおこなうので集まるようにとのこと。

それに、それに。
どうせ抽選で外れるだろうと思いながら申し込んだ「夜会」に当選した。
この「夜会」というのは、中島みゆきのコンサート名。
今回はVol.19「橋の下のアルカディア」で、20回ほどの公演がおこなわれる。
熱烈なファンが多い中島みゆきのコンサートなので、なかなか抽選に通らないと聞いていたのだ。

彼女のコンサートはかなり以前に2回ほど行ったことがある。
哀切な歌とはうらはらに、その語りは抱腹絶倒の面白さというのが彼女の舞台の特徴である。

さて、仕事のやりくりを工夫して、と。
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# by akirin2274 | 2016-09-22 21:32

「MOMAT展」 (磯村)   

東京近代美術館で収蔵品展を見る。

ハイライトの部屋にはセザンヌの花の絵、ブラックのキュビズムで描いた女のトルソ、岸田劉生の「麗子五歳の図」など。それにクレーにピカソと、有名作家の作品が並んでいた。
中でも佐伯祐三「ガス灯と広告」、靉光「頭のある風景」は好かった。

続く展示室では、大正時代から戦後までの作品が年代別に並べられていた。

c0138026_2352628.jpg今回、一番嬉しかったのは、古賀春江「海」に出会えたこと。
これまで画集では見ていたのだが、実物を見るのは初めてだった。
そうか、ここに収蔵されていたのか。
水着の女性、潜水艦、飛行船、大型帆船、それに工場地帯や灯台、魚や鷗が見事な調和で描かれていて、どこか不安を孕んだ美しい絵となっている。

ほかには、野田英夫の「帰路」、松本竣介の「黒い花」「N駅近く」の黒い抒情に惹かれた。

最後近くにあった福島秀子の抽象的な水彩画5点には得るものが多かった。
いつまでも物の形に寄りかかっていてはいけないなあ。
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# by akirin2274 | 2016-09-17 23:54

褒められて (磯村)   

午後から少し時間ができた。
で、マスカット公園にスケッチへ出かけてみた。

木陰になっている場所を見つけて、大空に弧を描いている球場の大屋根を描き始める。
手前には苦手な木々が重なり合っている。仕方がないなあ。
鉛筆であたりをつけて大まかな形を取っていく。全体のバランスはこれでいいか?

公園の広場では子どもたちが遊んでいる。
と、その中の5、6人がやって来た、小学校高学年ぐらいだろうか。
いきなり男の子が「上手いなあ」と褒めてくれた。おやおや、ありがとう。
別の子が「こんなに上手く絵を描ける人を初めて見た」。おお、おお、ありがとう。
すぐに子どもたちは遊びに戻っていく。

全体の構図が決まったところで、あとはペンでぐいぐいと線描をしていく。
線が歪んだり、つじつまが合わなくなるところも出てくるのだが、それは”味”ということで、自分を納得させてしまう。

するとまた子どもたちが戻ってきて、「あ、ずいぶん出来上がっている」。
そのあとも何回となく絵が仕上がっていくのを覗きに来る。こちらも張り切っちゃうぞ。
女の子は「私のクラスのタカシ君も絵が上手いんだよ」と教えてくれる。
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グリザイユ描法で影を付けたところで本日は終了となった。
次に彩色に行ったときに、あの子たちはまた遊んでいるだろうか。
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# by akirin2274 | 2016-09-13 20:52

素晴らしい詩集たち (瀬崎)   

毎年3月頃から詩集の発行が増えてくる。
今年もそれから6ヶ月が経った。
今年は素晴らしい詩集が多い気がする。

ちょっと思い出すだけでも、廿楽順治「怪獣」、高塚謙太郎「sound & color」、阿部嘉昭「石のくずれ」、原田道子「かわゆげなるもの」、荻悦子「樫の火」、北原千代「真珠川」、野崎有以「長崎まで」、河口夏実「雪ひとひら、ひとひらが妹のように思える日よ」、林美佐子「発車メロディ」・・・。
すごい。

昨日は神尾和寿「アオキ」が届いて、今日は坂多瑩子「こんなもん」が届いた。
すごい。

思潮社の現代詩文庫も次々に新刊が出ている。
先日、「暮尾淳詩集」を読み終えたと思ったら、昨日は「近藤洋太詩集」が届いて、今日は「広瀬大志詩集」が届いた。
私のように20年ぐらい詩の世界から遠ざかっていた者には、欠落した期間を埋めてくれる選詩集はとてもありがたい。

さて、私の詩集「片耳の、芒」も、順調にいけば今月末にはできるのではないだろうか。
素晴らしい詩集たちの一角にそっと忍び込めるか。
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# by akirin2274 | 2016-09-09 21:37

詩客 (瀬崎)   

忘れていたが、WEBの文芸誌「詩客」に原稿を書いたのだった。

「詩客」は、詩、短歌、俳句の短詩系3分野を扱っているWEB誌。
詩・歌・句、で”しかく”というわけだ。

ここに依頼されて2~3ヶ月に一度「自由詩時評」を書いている。
この欄は基本的に隔週更新で、現在の他執筆陣は、海東セラ、藤井貞和、中家奈津子、山田亮太、平井謙各氏など、のようだ。

5月19日号には「『ホフマニアーナ』を読む」を書いた。
そして8月21号には「”詩が広がるとき”によせて」を書いた。

これは「現代詩手帖」8月号の特集「2010年代の詩人たち」で掲載されていた最果タヒ、三角みずき両氏の詩作品を例にして、作品世界の広げかたを考察したもの。
アドレスは下記の通り。

  http://blog.goo.ne.jp/siikaryouzannpaku/e/bca9a53dbaed046accc32a7082438d4a

いつもはぼんやりと感じていることを、こういう機会が与えられると整理して考えることになる。
よい機会をいただいていると思う。
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# by akirin2274 | 2016-09-02 00:35