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中四国詩人会・広島大会 (瀬崎)   

今年の中四国詩人会大会が、広島ガーデンパレス・ホテルでおこなわれた。
コロナ禍で3年ぶりの開催で、参加者は26名と少なめだった。
それでも長くお会いしていなかった方達と久しぶりに再会した。

総会に続いて中四国詩人賞の表彰式があった。
今年の受賞は中尾一郎氏の「猫町diary」。話者が猫に話しかけたり、猫に化身してしまったりと、全編で猫と戯れているほのぼの詩集だった。

講演は岡馬重充氏の「メディアの言葉、詩の言葉」。
氏は中国新聞社の文化部記者や論説委員をしてきていて、奥様は詩人の橘しのぶ氏である。
メディアの伝達手段が紙媒体から次第にSNSなどの電脳媒体へ変化してきている中で、詩の言葉はどうあるべきかといった内容であった。

自作詩朗読は、中四国六県からの参加者がそれぞれおこなった。

懇親会もおこなわれた。
車椅子やシルバーカーが必要な方もいらっしゃったが、大会に参加する意欲のある方々なので、精神的には活発な方ばかりだった。、

この中四国詩人会を岡隆夫氏が中心となって設立したのは2000年のことだった。
岡氏はそれまではばらばらだった中四国9県の詩人会を実際に訪ね歩き、中四国詩人会の意義と必要性を説いたとのこと。
その熱意には敬服するしかない。

会員146人で発足した同会だが、会員の高齢化などにより現在は109人にまで減少している。
新会長は岡山で詩誌「ネピューラ」を主催している壺坂輝代氏になった。
私は一身上のことから理事を退任させてもらったが、今後の活動の継続を願うばかりである。



# by akirin2274 | 2023-10-23 17:55

クロコダイル朗読会 (瀬崎)   

クロコダイル朗読会 (瀬崎)_c0138026_22230262.jpg
もう1週間前のことになるが、浜江順子氏が主催している「クロコダイル朗読会」にお邪魔してきた。
渋谷のクロコダイルというライブハウスを会場にして、今回で26回目とのこと。

明治通りに面した店の中は幻想的な照明で、日常とは切り離された空間を形成していた。
忙しそうに準備をしている浜江氏に挨拶する。よく来てくれました、何かついでがあったの? 

瀬崎さんじゃないですかと声をかけられて、見るとなんと郡宏暢氏だった。
今はビジュアルな詩誌「Unedited」を発行して活発に朗読活動もしている郡氏だが、かつては岡山在住で、一時は「どぅるかまら」のメンバーでもあった。なつかしい。

会では花潜幸、渡辺めぐみ、佐峰存氏らの自作朗読があった。
初めてお会いした佐存峰氏はもうじき2冊目の詩集を出すとのことだった。

出演予定だった北爪満喜氏は都合により欠席で、代わりに写真のスライドショーが写された。

休憩をはさんでの鼎談は「詩人が視た小説の世界」というテーマで、最近小説を出版した山崎修平、水沢なお両氏に司会のカニエ・ナハ氏が加わっていた。
詩から出発した人が小説を書く意味についてなど、すこぶる面白い内容だった。
(そういえば、川端康成賞もとっていた故・稲葉真弓氏には、山手線の中で並んでつり革を持ちながら、詩と小説を書き分ける意識について尋ねたこともあった)

終了後に二次会をやるということだったが、帰りの新幹線を予約してしまっていた。そのまま品川へ向かった。残念。

(写真は開演前のクロコダイル店内)


# by akirin2274 | 2023-10-15 22:25

東京夢舞マラソン (磯村)   

東京夢舞マラソン (磯村)_c0138026_18434913.jpg
今年も東京夢舞マラソンに参加してきた。

これは自分の足で東京の街をめぐりましょうという趣旨の大会。
タイムは計りません、順位も付けません、信号を守って舗道を走ってください、水分や補給食は各自でコンビニなどで調達してください、というやり方。
大変に気が楽な大会。おまけに、8時間以内にゴールしてください、疲れたら地下鉄やバスに乗ってもいいですよ、とも明記している。
(でも、そんなことをする人が本当にいるのだろうか?)

一応42kmとなるようにコースは決められていて、詳細な地図を渡されている。
スタート・ゴール地点は神宮外苑絵画館前広場。参加者は1000人ぐらいだった。

おおまかなコースは、六本木、日比谷から月島へ渡り、有明アリーナへ。ここで約20km。そのあとは、木場を通って東京スカイツリーの下へ。浅草、秋葉原と抜けて神楽坂を上ってから明治神宮外苑に戻ってきた。

いたるところで赤信号で立ち止まるので、他のランナーとの会話も弾む。
北海道から参加の喜寿の方は元気そのものだった。
メディカルランナーとして走っていた看護師さんとは20kmあたりまで併走したのだが、コロナ禍での大変だった頃の話を聞かせてもらった。

去年は途中で痛恨の転倒、顔面打撲をしてしまったのだが、今年はそういったアクシデントもなしに、約7時間で無事に走り終えることができた。

あれだけ信号待ちをして、マラソンの神様の香取神社に参拝をして、亀戸梅屋敷では秋祭りの踊りを見物して、それでもこれぐらいで帰ってこられるのか。
北海道マラソンの20km関門アウトは何だったんだ?
まあ、今日は22度ぐらいで風も弱く、絶好のジョギング日和だったこともあるのだろう。

走り終えて喜多方ラーメンを食べたのだが、醤油味が少しあっさりしすぎていた。疲れた身体には、もっとしつこい豚骨味がよかったな。


# by akirin2274 | 2023-10-10 18:46

10月になって (瀬崎)   

「詩と詩想」誌から「今年度の収穫」のアンケートがきている。
これは、この1年間の印象に残った詩集、詩誌を挙げてくれというもの。

去年の10月から今年9月という期間設定なので、一応その期間のこれはと思うものは分けて置いてある。
問題は字数制限。挙げたい詩集は沢山あるのだが、毎年苦渋の選択を強いられている。

「現代詩手帖」も同じようなアンケートをおこなっているのだが、対象期間が1ヶ月ずれているところがややこしい。
こちらは依頼が来たり来なかったりする。今年はどうだろうか。

岡山県文学選奨の最終審査が今月末にある。
現在は、小説、詩、短歌など募集した9部門でそれぞれの部門審査員が審査をおこなっている。
間もなく、その結果が私ともう一人の総合審査員に送られてくることになっている。

矢掛本陣文学賞の詩部門の応募作品も届いている。
一般の部、18歳以下の部の2部門で、それぞれの入選作、佳作を決めて今月末には報告しなければならない。

それに個人誌「風都市」の次号の発行準備を忘れていた。
個人誌なのでまったく制約がない。好きなように紙面をくめるという自由さが好いところである。
一方で、いくらサボっても誰にも迷惑をかけないところから、つい発行がルーズになってしまう困った面もある。

これではいけないということで、次号の寄稿をある方に依頼した。
詩の教室を開催したりしていてお忙しそうなのだが、何とか引き受けてもらいたいところである。

来月は国民文化祭「詩の祭典」の表彰式が、今年の担当である石川県金沢市で開かれる。
私も最終審査員の一人として参加しなければと思っている。


# by akirin2274 | 2023-10-04 23:10

横尾忠則「寒山百得展」 (磯村)   

横尾忠則「寒山百得展」 (磯村)_c0138026_18264754.jpg
東京国立博物館での横尾忠則「寒山百得展」。

中国の奇僧である寒山と拾得であるが、横尾はこの二人をモチーフにした油絵を101点描いた。
その全作品を一堂に集めて、拾得ならぬ百得としたのが今回の展覧会とのこと。

会場に入って驚く。なんと勝手気ままに描いた絵が並んでいることか。色は乱れ、形は崩れ、破天荒なお祭り気分である。
寒山拾得の二人は、本来はひとりが巻物をもうひとりが箒を手にしていたはず。
しかしこの展覧会の二人は、トイレットペーパーと電気掃除機を手にしているのだ。

二人はドン・キホーテと従者に扮したり、掃除機にまたがって空を飛び、便器を服にしてしまったりしている。
このシリーズについて、アンディ・ウォホールは「絵の線がぐちゃぐちゃなのは涅槃をポップにしているからではないか」と言ったそうだ。

絵には作成された日付が入っているのだが、作品は1日おき、2日おきに描かれ続けている。毎日毎日描いたのだろうな。

寒山と拾得は融合してひとりになってしまったりもする。一体化してしまったふたり。
そして、最後にはAI:ロボットになってしまった二人だった。行くところまで行ってしまったか。
ついにここに到達してこのシリーズは終わっていくのかと思った。しかしまだあった。

「四睡図」は禅の真理、境地を示すとされているが、ここの四睡図にはアイン・シュタインがいたり、お釈迦様がいたりするのである。
さらになぜか「ランボー」と題されたシリーズがあり、アルチュール・ランポーはもちろんのこと、江戸川乱歩、エドガー・アラン・ポーが出てくる。ついにはスタローンのランボーまで出てくるのである。

50号ほどもある大きな油彩画101点をわずか1年ほどでとにかく描きまくったわけだ。
絵の美しさとか技量とか、そんなものはもううち捨ててしまったところで描かれている。自分はなにを描きたいのかをひたすら追求している様に思える。

横尾忠則は今年で87歳になるはず。この生命力には感嘆あるのみ。


# by akirin2274 | 2023-09-26 18:30