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ナカモトさん (瀬崎)   

詩誌「どぅるかまら」16号に発表する予定の作品を書いている。
「回転する世界について」という作品なのだが、ひとつの問題で悩んでいる。
ここ数日は、それをめぐって書いては直し、やはりこちらかと、また書いては直し・・・。

作品の内容は、話者であるわたしがある人物に問題解決を依頼するというもの。
で、悩んでいるのは、そのある人物をどのように表記するか、ということ。

「あの人」と、指示代名詞を使って表記してみた。
どうもすっきりしない。
その人物の顔が見えてこない。その人物の存在感が、どこにでもある指示代名詞の影に隠れてしまっているのだ。
「彼」なんてのは論外だ。

で、ナカモトさんという固有名詞を使って表記してみた。
この方がよほど存在感がある。ある特定の場所に居てくれそうである。

しかし、そのような偽の固有名詞に寄りかかった存在感でいいのだろうか。

でも、やはりナカモトさんの方が断然いいよなあ。
そういえば、小柳玲子氏の詩集に「為永さんの庭」という素晴らしいものがあった。
先日読んで唸った高階杞一氏の詩集のタイトルは「千鶴さんの脚」だった。
廿楽順治氏は人名シリーズで魅力的な作品を書いている。
私の詩もナカモトさんの方が断然いいよなあ。

しかし、それでいいのだろうか。
悩むぞ。悩むぞ。

by akirin2274 | 2014-04-11 00:13

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