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ポンピドゥー・センター傑作展 (磯村)   

ポンピドゥー・センター傑作展 (磯村)_c0138026_18134338.jpg東京都美術館でのポンピドゥー・センター傑作展の副題は、「ピカソ、マティス、デュシャンからクリストまで」。

今回の展示の特徴は、1906年から1977年までの時間軸に沿って、1年1点の作品、そして1作家1作品というところ。
これによっていろいろな作家の作品で時代の動きを捉えようということらしい。
絵画を中心に、ある年の展示は彫刻だったり、写真だったりもしていた。

モーリス・ヴラマンクの風景画はフォーヴィズムからキュビズムへの移行期ということだったが、平筆での彩色がとても力強いものだった。

マルセル・デュシャンのオブジェは、木の丸椅子に自転車の車輪を取り付けたもの。
彼は車輪を回しては思考をさまよわせて遊んでいたらしい。
今度、自分でも作ってみようかと思わせるものだった。

設計建築群が世界遺産になったばかりのル・コルビュジュの静物画もあった。
1945年には展示作品がなく、エディット・ピアフの「バラ色の人生」が低く流れていた。

面白かったのはそれぞれの作家の言葉が添えられていたこと。いくつか引いてみる。

「当初の構想が消え去ったときに絵画は初めて完成する」ジョルジュ・ブラック。

「かって私はアイデアに形象を与えようとした。今は形象に合うアイデアを探している」フランティシェク・クプカ。

「私の絵画には思いつくままに描いた記号があり何らかの意味するものがあるのだろう。しかし私にはいかなる解釈も分析も出来ないし、する気もない」ヴィクトール・ブラウネル。

クリス・マルケルの26分間の短編映画「ラ・ジュテ」は、記憶と時間が錯綜するイメージに溢れていた。
あのギリアム監督の「12モンキーズ」の原型とされていたそうだ。

ポスターにも載っているマティス、シャガール、ピカソも、それぞれに見応えのある作品だった。

by akirin2274 | 2016-07-25 18:16

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