「交野が原」84号 (瀬崎)   

c0138026_10135781.jpg金堀則夫氏が編集・発行している「交野が原」84号が届いた。
今号には32人の詩、4人のエッセイ、11人の書評を収めている。毎号のことながら、その内容の濃さ、多彩さには感嘆してしまう。

海東セラ「約束」では18字×32行の矩形に広がった世界を彷徨う。どこにも辿り着けないような眩暈に襲われる作品だった。

野崎有以「塩屋敷」では、白い雪と塩が風景を混沌とさせていて、家出していた女と亭主を苛立たせていた。衝突する人間性の縮図が豪快に描かれていた。

藤田晴央「白い紐」は夜の間に窓の隙間から忍び込んだ雪を詩っているのだが、それはこれまでの人生の長さが積み重なったものであるかのようなのだ。

拙ブログ「瀬崎祐の本棚」には、北原千代、たかとう匡子、海埜今日子の作品ついて簡単な感想を書く予定。

書評では、河邉由紀恵が「あばくよりだまされることの心地よさ」と題して秋山基夫詩集「月光浮遊抄」について書いている。
古典の引用やアレンジを縦横におこなっているこの詩集を流されるように受け止めて楽しんでいる。
なにしろ、引用されているようなものの中には、秋山がそれらしく創作した偽物の古典まがい物も混じっているのだから。

冨上芳秀の「倉橋健一の孤独と直喩」と題した倉橋健一詩集「失せる故郷」の書評や、神尾和寿の「どこまでも「清水さん」」と題した高階杞一詩集「夜とぼくとベンジャミン」の書評も興味深く読んだ。
なるほど、この詩集をこんな風に捉えたのか。

瀬崎は詩「冬の疎水の、散歩道」を載せてもらっている。4行×7連の散文詩。”散歩道”というからには帰る道筋もあるはずなのだが、本当だろうか?


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by akirin2274 | 2018-03-25 10:16

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