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「みらいらん」3号 (瀬崎) 2019/01/07   

「みらいらん」3号 (瀬崎) 2019/01/07_c0138026_13500204.jpg池田康氏が「洪水」終刊後に発行している詩誌「みらいらん」の3号が届いた。
巻頭詩として城戸朱理など8人の作品があり、伊武トーマ、小島きみ子の連載詩も載っている。

今号の要は野村喜和夫、有働薫の対談「現代フランス詩の地図を求めて」だった。
話題になっているのは知らない詩人ばかりだったが、こういう詩人がいるのだと知らされた。

これに関連した小特集は「異国の詩歌と睦ぶ」と題したエッセイ群。
11人が自分と外国詩とのつながりについて書いている。

たとえば、神泉薫はオクタビオ・パス、浜江順子はパウル・ツェラン、田野倉康一はジェラール・ド・ネルヴァルの作品と出会ったときのこと、そこから受けた影響などについて書いている。

私はフランシス・ポンジュ「物の見方」について書いた。
このポンジュの第2詩集(1949年)を読んだのは、バリケードが張られた大学の周囲で、「穹」という同人誌に参加していた頃だ。
(その同人誌には、のちに私の妻になる女性も参加していた。)

「物の見方」で展開されていた「論理的な記述は世界を正しく見せるための方法ではあるが、その論理が偽物であれば、当然のこととして構築される世界も嘘なので」あった。

「現実世界とバランスを取るために必要とされる虚構の世界。私の作品も、そのあたりの危ういバランスでいつまでも嘘の世界に吊り下げられているなあと思ったのである。」

あの頃、なんとか原詩で読みたいと思い第2外国語の講義にフランス語を選択したことなどは、・・・もう忘れてしまった。


by akirin2274 | 2019-01-07 13:52

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